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【2026年】カスタマーハラスメント対策FAQ|定義・法律・対応策を網羅

1. 基礎知識・定義

Q1. カスタマーハラスメント(カスハラ)の定義とは何ですか?

A.
カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先からの著しい迷惑行為であって、「要求内容の妥当性を欠くもの」または「要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なもの」により、従業員の就業環境が害されるものを指します。
厚生労働省のマニュアルや2025年施行の東京都条例でも、単なるクレームとは区別して定義されています。

Q2. 「正当なクレーム」と「カスハラ」の違い(判断基準)はどこにありますか?

A.
最大の違いは「手段・態様の悪質性」「要求の妥当性」です。
商品やサービスに不備があり、改善を求める行為は正当なクレームです。しかし、以下のような場合はカスハラと判断されます。

  • 手段の悪質性: 大声での威嚇、暴言、長時間拘束、土下座の強要、SNSでの晒し行為など。
  • 要求の過剰性: 規定を超えた過剰な金品要求、従業員の解雇要求、土下座要求など。

2. 現場対応・具体的アクション

Q3. 証拠としてお客様との会話を「録音」することは違法になりますか?

A.
いいえ、業務上の必要性があり、身を守るための録音は原則として違法にはなりません。
相手の同意がない「秘密録音」であっても、カスハラの証拠として裁判等で認められるケースが多くあります。ただし、プライバシーへの配慮として、店舗入口や電話窓口で「品質向上のため録音しています」と事前告知することが推奨されます。

Q4. 悪質な顧客に対して「対応拒否」や「出入り禁止」にしても問題ありませんか?

A.
はい、カスハラに該当する悪質な行為があった場合、対応を打ち切り、出入り禁止措置をとることは企業の正当な権利です。
「お客様は神様」という考え方は過去のものです。従業員の安全を守るため、毅然とした態度で「これ以上の対応は致しかねます」と告げ、退去を求めることが重要です。不退去の場合は警察へ通報します。

Q5. 電話で暴言を吐かれた場合、すぐに切っても良いのでしょうか?

A.
はい、警告を行っても改善されない場合は、通話を終了(切電)して構いません。
「大声をおやめください」「そのような言葉を使われると対応できません」と冷静に警告し、それでも続く場合は「これ以上は対応いたしかねますので、電話を切らせていただきます」と告げて切断するのが適切な対応フローです。

3. 法律・企業の義務

Q6. 会社には従業員をカスハラから守る法的義務はありますか?

A.
はい、企業には労働契約法上の「安全配慮義務」があります。
さらに、2025年6月に成立した改正労働施策総合推進法により、カスハラ防止対策(相談体制の整備、マニュアル作成、研修実施など)が企業の義務となる方向で法整備が進んでいます。対策を怠って従業員が心身の不調をきたした場合、企業が損害賠償責任を問われる可能性があります。

Q7. 東京都の「カスタマーハラスメント防止条例」では何が定められていますか?

A.
2025年4月1日に施行された本条例では、以下の点が定められています。

  • カスハラの禁止: 何人も、あらゆる場でカスハラを行ってはならない。
  • 企業の責務: 従業員の安全確保、被害防止体制の整備、指針の公表など。
  • 都の支援: ガイドラインの策定や相談窓口の設置。
    この条例は東京都内のすべての事業者・顧客に適用されます。

4. 高度なリスク管理

Q8. SNSで実名を晒されたり、誹謗中傷されたりした場合の対応は?

A.
直ちに証拠保存(スクリーンショットやURL記録)を行い、プラットフォーム事業者へ削除依頼を出してください。
悪質な名誉毀損や業務妨害に当たる場合は、弁護士を通じて発信者情報開示請求を行い、投稿者の特定と損害賠償請求、刑事告訴を検討します。会社は従業員個人任せにせず、組織として法的措置を講じることが重要です。

Q9. カスハラ行為が犯罪になるのはどのようなケースですか?

A.
刑法に触れる行為は即座に警察へ通報すべき犯罪です。

  • 強要罪: 土下座をさせる、無理やり謝罪文を書かせる。
  • 威力業務妨害罪: 大声で騒ぐ、居座って業務を停滞させる。
  • 脅迫罪: 「殺すぞ」「家に火をつけるぞ」などの害悪の告知。
  • 傷害罪・暴行罪: 殴る、蹴る、物を投げつける。

Q10. カスハラ被害に遭った際、従業員はどこに相談すればよいですか?

A.
まずは社内の「ハラスメント相談窓口」や上司に報告してください。
社内で解決しない場合や緊急性が高い場合は、以下の外部機関も利用可能です。

  • 警察(緊急時は110番、相談は#9110)
  • 弁護士会(民事介入暴力対策センターなど)
  • 各都道府県の労働局・労働基準監督署
  • 法テラス(法的トラブルの案内)

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