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セクシャルハラスメントの発生防止を図るためセクシャルハラスメントの研修を行ないたいが、誰を対象に、どの様な研修を実施すれば良いのかなどの相談が良く寄せられます。
問題発生の有無などその状況や、組織、社員数等に応じて、最も効果のある方法を検討しなければなりません。以下にそのポイントを記させていただきます。
● 男性社員を対象
一般にセクシャルハラスメントの問題は、男性社員から女性社員に対するものが圧倒的に多いのが実情です。したがって、男性社員に受講させることを基本とします。
ただし、女性から女性、女性から男性への問題も皆無では有りませんので、その状況に応じて参加者を判断します。
また、女性社員に対してセクシャルハラスメントに該当するであろう言動を理解させ、発生した場合の対処や相談体制等の周知を図りたい場合も参加を検討します。
● 経営幹部・管理職等中心
今や、セクシャルハラスメントの問題は、企業のコンプライアンス上の問題です。企業によっては、その発生がブランドイメージの毀損や、優秀な社員の流出などにつながり、結果として存亡の危機に立たされることさえあり得ます。
また、各職場においても管理職や上司のセクシャルハラスメントへの正確な理解やモラル観なくして、快適な職場環境の形成は不可能に近いものがあると言わざるを得ません。
さらに、経営層や管理職がセクシャルハラスメントに関する問題を発生させた場合は、企業の責任(不法行為、使用者責任、職場環境配慮義務など)が加重されることは言うまでもありません。
したがって、セクシャルハラスメントに関する研修は、まずは経営者、管理職層から実施する必要があります。
● 一般職
セクシャルハラスメントの問題の多くは、やはり現場で発生します。一方、経営者や管理職と違い、どの様な言動がセクシャルハラスメントにあたるのかを、知識としてよく理解できていない社員が多くいることも事実です。
したがって、研修や勉強会の場を通じて、この層の社員に対する啓発周知は必須です。
ただし、この層の社員は人数が最も多いので、費用対効果を考えて効果的な方法を検討する必要があります。例えば、上述の管理職層への研修を行なった後に、各職場では管理職が講師やリーダーとなり勉強会を開催する等の方法があります。
研修の内容については、研修目的がセクシャルハラスメントの防止であれば、以下のような内容が基軸となります。
● セクシャルハラスメントの基本
【セクシャル・ハラスメントとは】
セクシャルハラスメントは知らずに犯してしまうことがあるため、どの様な言動がセクシャルハラスメントにあたるのかなど基本事項を理解させます。
【セクシャル・ハラスメントがもたらす影響とは】
万一、セクシャルハラスメントの問題が発生した場合は、どうなるのかを理解させます。
会社は、行為者は、被害者は、それぞれのデメリットやリスクを知っておくことも重要です。
【セクシャル・ハワスメントが起こる背景】
なぜ、セクシャルハラスメントの問題が起こるのかを、時代背景を含めて理解させます。
● 事例研究(他社事例・判例等)
【裁判例、他社処分例のケーススタディ】
単に知識の啓蒙だけでは、受講者の頭や心になかなか残りにくいものです。そこで、実際に世の中で起こっている具体的なケースを見せることで、イメージをより鮮明にさせるとともに、セクシャルハラスメントの問題を起こさせないための動機付けを行ないます。
事例研究では、どのような言動があったのか、被害者はどのように思い感じたのか、行為者と被害者の考えのギャップ、どのような判決や処分が下されたのかなどを、受講者に強く印象づけることが可能です。
● セクシャル・ハラスメントの対応と防止策
【危険なシグナル】
部下や同僚がセクシャルハラスメントを受けた場合などの、危険な兆候(顔色が悪いなど)について理解させます。様々なシグナルを知識として習得することで、問題の早期発見や未然防止につなげます。
【問題が発生した場合の対応】
問題が発生し、相談や通報を受けた場合の基本的な対応(傾聴、事実確認など)について理解・習得させます。
(※これは管理職層に対する研修の場合カリキュラムに組み込みます。)
【セクシャルハラスメントを起こさないためには】
研修の総まとめとして、セクシャルハラスメントを起こさないための、心構え、考え方などについて理解させます。
研修の時間は、1時間〜3時間程度で実施可能です。
管理職向けの研修で、問題が発生し相談や通報を受けた場合の基本的な対応のロールプレイなどを組み込む場合は3時間程度必要です。
講師は社内の関連部署の管理職や担当者が行なうことも可能ですが、以下のような社内講師では“やりにくい”という声が多いことも事実です。
「受講者が経営幹部や管理職であり、社内講師では言いにくい」
「外部講師に、外からの意見として、または世間の客観的な考え方として、ズバッと厳しく指導してもらいたい」
このような場合は、外部の講師の活用を検討すると良いでしょう。
以上、セクシャルハラスメント研修の運営を検討する場合のポイントについて書かせていただきました。
本件研修では、セクシャル・ハラスメントに関する正しい認識を持っていただきます。また、職場で起こっている具体的な事例を紹介することで、気づきを促しその後の意識と行動の変容につなげていただきます。さらに、セクシャル・ハラスメントのない快適な職場にするためにはどうすればよいのかを参加者自らに考えていただき、実効性を高めます。