テーマ・部門別

階層別

AIを優秀な部下に変える! 接客・販促の悩み解決~厳しい時代こそチャンス、AIで業務効率化と売上アップを実現~  一般社団法人日本ボランタリーチェーン協会 機関紙より

 - セミナー&研修ネット

弊社代表である渋谷雄大による記事

「AIを優秀な部下に変える! 接客・販促の悩み解決
~厳しい時代こそチャンス、AIで業務効率化と売上アップを実現~
」が

VCA Japan Voluntary Chain Association 一般社団法人日本ボランタリーチェーン協会の会報誌に掲載されました。

厳しい経営環境を乗り切る AI という新たな武器

2025年4月、小売業を取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。値上げ品目数は4,225品目と1年6ヵ月ぶりに4,000品目を超え、原材料価格の高騰が収益を圧迫し続けています(帝国データバンク調査)。

こうした状況に加え、人手不足も深刻化しています。特に「なぜこの価格なのか」「どのような生産方法で作られているのか」といった情報提供は、顧客の信頼獲得に不可欠となっていますが時間も人も限られている中でなかなか対応が難しい状況でもあります。だからこそ、AIという新たな武器の活用がチャンスとなりえます。

本稿では、AIを「優秀な部下」として活用し、接客や販促の悩みを解決する具体的な方法をご紹介します。

AI を部下として使いこなす基本方針

AI活用で最も大切なのは、「入口と出口は人間、中間処理は AI」という役割分担を図ることです。

顧客からの要望や生産者情報の収集といった「入口」は、人が関わり観察力や共感力を用いて情報を収集する必要があります。いわゆる一次情報であり、この精度がとても重要な役割を果たします。集めた情報をAIに入力し、AIには情報の整理や文章の草案作成といった「中間処理」を任せます。そして、AIが生成した内容の確認・修正や最終的な顧客対応といった「出口」は再び人間が担当します。

この役割分担の根底にあるのは、「AI は 90% の完成度を実現できるが、最後の10%は人間の手が必要」ということです。独自性や付加価値が生まれるのはこの10%の部分です。AI が生成した内容をそのまま使用するのではなく、自店の特性や地域性に合わせて微調整することで、他店との差別化が可能になります。

具体的な AI 活用法と成果

トレーサビリティ情報の効率的発信

例えば、ある青果店で考えてみましょう。生産者に今年の作物の状況などを電話やZoomなどでヒアリングし、AIで文字起こしをします。その文字起こしデータをAIに入力することで、栽培方法や特徴を消費者向けにわかりやすく整理することができます。これによりSNS投稿、店頭POP、チラシなど様々な媒体用の文章を効率的に作成できるようになります。

【実際の指示例】

「この有機野菜の特徴を強調した、A4サイズのPOP用キャッチコピーを3案作成してください。この商品の特徴は、減農薬栽培で甘みが強いことです。当店のお客様は50代以上の健康志向の方が多いです。」

POPやチラシの文章を考える時間を実際に測ってみてください。その時間を10分の1程度に短縮できるとすればどうでしょうか?忙しいお店であればあるほど、POPやチラシの文面は、踏襲型になっていませんか。

以前の文章を少しだけ変えて作り変える、そもそも作り変えていない、とすれば、AIに文章を作ってもらうことで効率化だけではなく、POPの質も飛躍的に高めることに繋がるでしょう。

価格改定時の顧客コミュニケーション

多くの飲食店では、原材料価格の高騰により利益率が低下し、メニュー価格の見直しが必要になっていくでしょう。顧客離れへの対応策として、AIを活用して各メニューの価値(素材の質、調理法の特徴など)を明確に伝えるメニュー説明文を作成するのはどうでしょうか。また飲食店に食材を卸している企業でしたら、飲食店に同様の提案をしてみてはどうでしょうか。

【実際の指示例】

「当店の人気メニュー『特製ハンバーグ』の価格を1,200円から1,350円に改定します。価格上昇の理由(国産牛肉の使用、手作り製法)と、この価格でも十分な価値があることを伝える説明文を100字程度で作成してください。」

マニュアル作成と教育効率化

スーパーマーケットの場合、新人スタッフ教育の負担軽減のため、AIを活用してマニュアル作成を効率化することも可能でしょう。

【実際の指示例】

「新人アルバイトスタッフ向けのレジ操作マニュアルを作成してください。特に注意すべき点や、よくある間違いについても触れてください。高校生でも理解しやすい表現でお願いします。」

マニュアル作成時間が3分の1に短縮され、入れ替えの激しいスタッフの教育効率化にもつながります。

失敗しないためのポイント

適切な指示の出し方を学ぶ

AIの能力を最大限に引き出すためには、目的と成果物を明確に伝え、必要な情報を過不足なく提供することが重要です

例えば「POP文を作って」という漠然とした指示よりも、「この季節商品の特徴を50代女性向けに訴求する、A4サイズのPOP文を作成してください」という具体的な指示の方が、質の高い成果物を得られます。

なかなかAIを使いこなせいない方は、『SNS投稿を作って』など漠然と指示をしていることが原因かもしれません。AIに対しては、店舗の雰囲気や顧客層、商品特性をしっかり伝えるようにすることで、まるで専属のコピーライターがいるかのような文章が生成されるようになります。

AIの限界を理解する

AIはあくまでツールであり、最新の地域情報や専門知識は完全には把握していません。AIが生成した内容には事実誤認が含まれる可能性もあるため、人間がチェックし、必要に応じ修正することが大切です。

「AIが提案した販促企画をそのまま実行したら、地元の文化と合わずに失敗した」という声も聞かれます。AIからの提案は「たたき台」として捉え、必ず自分自身や店舗スタッフの目で内容を精査しましょう。

スタッフの理解と協力を得る

AI導入にあたっては、「AIはスタッフの仕事を奪うものではなく、より価値ある業務に集中するためのサポートツール」であることを丁寧に説明することが重要です。ある小売店では、AI導入当初、ベテランスタッフから「機械に仕事を奪われる」との懸念の声が上がりましたが、「AIに任せるのは定型的な文章作成のみで、お客様との対話や商品選定などの価値ある業務により集中できるようになる」と丁寧に説明することで理解を得ることができました。

導入後は、むしろ「AIのおかげで残業が減った」と好評です。実際、AIに定型業務を任せることで、スタッフは接客や商品提案といった創造的な業務に集中できるようになります

今すぐ始める3つのステップ

AIの活用は、小さな一歩から始めることが大切です。まずは自店舗で時間がかかっている非生産性業務(POP作成、SNS投稿、マニュアル作成など)を特定します。次に、週1回のSNS投稿や特定商品のPOP作成など、範囲を限定してAI活用を試みましょう。そして、小さな成功体験を積み重ねながら、徐々にAI活用の範囲を広げていきます。

あるカフェでは、最初はInstagramの週1回の投稿文作成からAI活用を始めました。効果を実感した後、商品説明POPの作成、新人教育マニュアルの作成と段階的に範囲を広げ、現在では月に約15時間の業務削減に成功しています。

お知らせ

▶ もっと見る

研修・セミナー事例

▶ もっと見る

新着研修

▶ もっと見る