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みなさん、こんにちは。朽木鴻次郎です。ジャイロ総合コンサルティングで研修/セミナー講師をしています。主なテーマはコンプライアンス、ハラスメント防止などの企業法務です。私自身、Facebook や Instagram、Twitter を日常で楽しんでいます。
50年近く前、SF作家の星新一が予言した未来があります。それは、コンピューターに個人が自分の情報を入力し、共通項を持つ他人との交流を楽しむ世界でした(「ナンバー・クラブ」 - かぼちゃの馬車、新潮社 1972年) 。同時に、星新一は、そんな未来世界では、個人情報をコンピューターに委ねることへの不安が存在することをも予言していました。それから半世紀が過ぎた現在……
爆発的に発展したインターネットに委ねられた膨大な量の情報が、日々世界を駆け巡っています。星新一の予言が現実になりました。そこには交流の喜びもあり、また、情報漏洩やフェイクニュースへの恐怖もあります。全く身に覚えのない犯罪の加害者としてネットで自らの情報が晒されることも現実に起こっています。(2019年8月、高速道路でのあおり運転の幇助者「ガラケー女」として、全くの別人の素顔や本名などの個人情報がネットに晒されました。)
TV、新聞や雑誌など従来の媒体に比べて、低コストで素早く効果的に情報発信ができ、顧客(潜在顧客)と双方向インタラクティブなコミュニケーションを即時に行うことができるので、SNSは個人企業、中小企業でも大企業と遜色なく対等に渡り合えるツールと言えます。ところが、その発信力と伝播性が優れているからこそ、コンプライアンス違反へのネガティブな情報が広まるのも早いものです。SNS時代、コンプライアンス違反への監視の目がどんどん厳しくなっているのが現実です。そこで、SNSでのコンプライアンス違反を未然に防いで頂きたいと思い、コラムを寄稿してまいりました。
その1
その2
その3
今回は「SNS向けコンプライアンス:その4」、「コピペと写真にご用心」です。
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文章でも写真でもイラストでも、音楽動画でも、出版公表されているものをコピペしてご自分のSNSに貼り付けるときには注意が必要です。著作権の問題が出てきます。
いかがわしいサイトや違法(すれすれ?)のHPからのコピペは絶対やめてください。著作権だけではなく、いろんなトラブルを引き起こすこともあるし、加害者の一人になってしまうかもしれません。また、「無断引用禁止」と書いてあるところからのコピペは避けた方が後々のトラブルを未然に避けることができます。(実は法律上はもうちょっと複雑なのですが、とりあえず「無断引用禁止には従う」と一応了解しておく方が無難です。)
アクセス数を上げるために、なにも関係ないのに有名人の名前だけを羅列したりするサイトがあったりもします。そんなことをすれば、読者は「引いて」しまいます。そこまで極端ではなくても、自身のSNSで取り上げているテーマと無関係なものはコピペしない。コピペするなら関係する、関連があるものだけにしましょう。
コピペするときは必要な部分だけをそのまま使います。変更は極力加えないようにしましょう。また、全てをコピペして、最後に「私も同意である」みたいな「全部もろもろコピペ」も当然ながら不適切です。
カギカッコをつけたり、「++++引用始め」「++++引用終わり」などでコピペした部分がちゃんと識別できるようにしましょう。そして、出典、つまりどこからのコピペなのか、例えば、「『SNSのコンプライアンス』朽木鴻次郎、ジャイロ出版 2019年、123頁より」などと明示する必要があります。
以上、コピペについて、SNSの私的利用/業務利用の区別なく書きました。ビジネス、プロモーションとしてSNSを利用していて何かをコピペするときには特に慎重にしてください。どうしても必要なとき以外は「コピペはしない」と決めておくのがよろしいかと思います。
SNSで写真をアップするとき、人を不愉快にさせるような写真はいけません。例えば死んだ人の写真や、悲惨な事故現場、わいせつな写真、そもそもそういう写真はSNS規約で投稿が禁じられています。ところで、下の写真は私がインスタグラムにアップした写真です。
そのうちの一枚、お城の写真ですが、ある旅行サイトに勝手に使われてしまいました。最初はびっくりしたし少し嬉しかったりしたのですが、プロのカメラマンだったら死活問題ですね。このように、自分の写真(著作物)が無許可で使われてしまうこともあります。注意したいです。
「道で勝手に写真を撮ってはいけないんですよ!私が写り込んでいるかもしれない。不快です! 肖像権の侵害です!」 …… おっしゃることは分かるんですが、法令上必ずしも正しい解釈とは言えないんです。スナップ写真は一つの文化です。人や顔が写り込んでいたとしても必ずしも即それだけで違法・条例違反にはならないし、肖像権の侵害云々も多角的に判断しなければならない問題なんです。法律や条例の解釈としてはですが。
とはいうものの、個人情報や肖像権、ネット犯罪対策への意識が高まっている状況の中、法令に違反しないからといって、これまた即それだけで許されるものとも言い切れません。マナーを守らないといけないし、そのマナーも時と場所、状況によって微妙に変わるものです。
上の図は、写真を撮る行為の流れです。20年前なら、撮影して、フィルムを現像して紙(印画紙)にプリントして、アルバムに貼って押入れにしまっておしまい、でした。今はそんな時代ではないんです。写真をスマホやデジタルカメラで撮影したら、ちょちょっと修正を施して即SNSで公開、その瞬間、世界中の人が閲覧できる、そんな時代です。人々が敏感(過敏?)になるのも無理はありません。誰かが少しでも写り込んでいる写真をビジネスとして、つまりお金を生む手段として使用するときには細心の注意が必要です。
商業写真ではなくアマチュアの写真家の方々に対しては、被写体へのリスペクトを持ってスナップ写真を撮る限りにおいては、過剰に萎縮する必要はないし、「許諾が取れていない人の顔は全てぼかしを入れましょう」などというのは行き過ぎだと思っています。(入れなければいけない、入れたほうがいい場合もあります。)
しかし、ビジネスにSNSを使用している場合は、許諾なしに人物を主題にした写真、街頭の人の顔が(ぼかしを入れても)写っている写真、絵画やポスターなど他人の著作物、これらを主題として写した写真や大きく写り込んだりした写真は使用を避けるべきです。私的にSNSを楽しむ文脈とは異なり、ビジネスとして、つまりお金を儲ける手段としてSNSを利用する場合では、他人の権利に対してより慎重になるべきであると思います。
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著者 朽木鴻次郎
ジャイロ総合コンサルティング(株)・コンサルタント 「企業法務・コンプライアンス」をテーマとし「企業の秘密を守る」「SNS利用の注意点」「パワハラやセクハラ、職場のいじめやいじり」などの領域に詳しい。 84年一橋大学法学部卒業後、数社での経験を経て、04年から任天堂勤務。DS/3DSシリー ズ、Wii/Wii U、Switchなどの立ち上げに関わるとともに国内外のサプライチェーンでの CSR/法令遵守推進活動に従事。18年に任天堂退職。一貫して法務畑。1960年(昭和35年)生。
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