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AI活用などを組み合わせた新入社員研修を実施いたしました。

大和商工会議所にて計3日間の新入社員研修を実施しました。
今回の新入社員研修では、新しい働き方に対応した人材育成を視野に入れて、AI活用やインシビリティなどの要素を取り入れさせていただきました。

AIを組み合わせた学習モデル

ハラスメント問題、業務過多による部下育成へ時間が割けない、ジェネレーションギャップによる教育方法の変化、など様々な要因で部下育成が難しくなってきています。
そうした中で、アナログで部下育成する場面とAIなどのデジタル活用で教育する部分をしっかりと使い分けていく時代に入りました。新入社員側も、どこまでをリアルで学ぶか、どこからデジタルを活用するのか、特徴を理解したうえで、より効果的、効率的に学習効率を高めることに興味関心の高さがうかがえました。

アナログのメリット・デメリット

直接先輩や上司から指導を受けるアナログでのOJTのメリットは何と言っても、プロセス(過程)を共有できる点にあります。リモートですと、商談時間の間はオンラインでつなげますので非常に効率的ではありますが、一方、どのような準備をしているのか?どこで詰まっているのか?など商談の前後のプロセスは見えにくくなります。OJTの場合は、プロセスまで一貫して共有することにより成長につながるのですが、この部分が抜け落ちることがリモートの最大のデメリットです。ですので、プロセスが複雑な商談や仕事などはアナログでのOJTを行うなどの棲み分けが必要となっています。

デジタル・テレワークのメリット・デメリット

一方、デジタルを活用する場合は、短時間での複数接触などは非常にメリットが大きく、オンラインで簡単な打ち合わせをする場合などはオンラインミーティングで事足ります。また、特殊性を伴わないような基本的な業務についてはAIをフル活用することで、わざわざ忙しい先輩や上司の手を煩わせることも減らすことができます。
今までは手取り足取り教えていたものの一部を、新入社員自らがAIを活用して習得することで、相互にとってメリットを最大化できるのではないでしょうか。

今回の新入社員研修では、センテンスごとにAIをどう組み合わせるか?について実演をしながら解説し、実際にイメージしていただきました。

例:メールへの返信

メール返信については、AIを組み合わせることで先輩や上司のチェックは不要となります。また送信前に、宛先の間違いなどのケアレスミスのチェックも可能ですので、新人が起こしやすいトラブル防止にも繋がります。

例:ミスやリスク判定

様々なリスクやミスについて、経験の浅い新入社員には気が付かない部分が多くなります。上司や先輩が横についてチェックすることも必要ですが、何か仕事に取り組む前にAIにより想定されるリスクやミスなどを指摘してもらうことでリスク回避に活用することができます。経験値の浅い社員にとって、リスクを想定することは非常に難しいためメリットが大きい活用法と言えます。

例:業務のスケジューリングと優先順位

日々の業務を進めるにあたり、業務スケジュールや優先順位付けが難しい場面に遭遇します。とくに上司や先輩の優先順位と新入社員が考える優先順位に差がある場合「こっちを先にやってほしかった!」などとトラブルの原因になりやすいです。AIにより先輩や上司の優先順位のクセを把握させることで優先順位を間違わずに進めることができます。

例:会議の議事録

会議やミーティングの議事録作成はAI文字起こしソフトとChatGPTの組み合わせで簡単に可能です。また手書き文字や紙の資料であったとしても、OCR機能が飛躍的に高まったChatGPTを使うことで紙資料のデータ化も簡単に行えるようになりました。新入社員が行う雑務は、AI活用により大幅に効率化できる部分ではないでしょうか。

例:営業ロープレの相手役

営業職に就く新入社員にとって、ロールプレイングの相手役をAIに任せることも可能になりました。加えて、営業先の顧客情報の整理や課題抽出などもAIを活用。想定問答集やどのような質問を行うべきか?など営業にとって、自身の進め方をチェックするうえで非常に有効な活用方法と言えます。上司とのロープレをする前に、AIで事前ロープレをしておくことでアナログの成果をより高めることができます。

新入社員とAIを組み合わせることのメリットは非常に大きく、生産性向上に直結する取り組みと言えます。新入社員フォローアップ研修などでぜひAI活用を実施してはどうでしょうか。

テレワークやオンラインが当たり前の世代に対するインシビリティ対応

インシビリティとは、礼節の欠如と言われ、相手を傷つけようとする意図は積極的には無いが、思いやりや配慮を欠いた失礼で無作法な言動と言われています。ハラスメント事案まではいかないが、なんとなくギスギスした雰囲気になりやすいのがインシビリティです。

このインシビリティは、ハーバード・ビジネス・レビューでも特集されたことがありますが、とくにリモートワークなどで起こりやすいとされています。新入社員の多くは、学生時代にリモート授業が主流でした。ですので、無意識のうちにインシビリティ化している可能性が高くなっています。それが当たり前の中で大学生活を4年間過ごしてきたわけです。

今回の新入社員研修では、インシビリティというキーワードを使いながら、リモートワークの中で身に着いてしまった無作法な言動の軌道修正を行っています。これを実施しないと、ギスギスした職場になりやすく、しかもインシビリティは伝染すると言われています。そのため、まとまって入社する新入社員に向けて教育する必要が高い項目と言えます。

リスクへの対応を学ぶリスクマネジメント

また今の世の中「リスクマネジメント」は最重要課題のひとつと言えます。たった一回の失敗で、企業の倒産に追い込まれるような時代です。新入社員だから許される時代でもありません。

様々なSNSが簡単に使える時代になり、個人の発信力が高まりました。一方で、SNSの発信担当者として新入社員が任命されるケースもあり、しばしば炎上事例も起こっています。せっかく培ってきたブランド価値を一気に失墜させる可能性もあるわけです。

特に新入社員に不足しているのがリスクの優先順位付けです。すべてのリスクに過敏になっても動きが鈍くなりますし、逆に致命的なリスクに対しては慎重に判断が必要となりますが、社会人になりたての新入社員にはこのリスクの優先順位付けがまだできないわけです。本来であればOJTなどを通じて、リスクの優先順位を教えていくわけですが、そもそも想定外のリスクが多くなっている今、ひとつひとつを正確に判定することは難しくなっています。上司や先輩が教育で教えるにしても限界が来ています。

リスクの点数付け(リスクアセスメント)

ということで今回の新入社員研修では、リスクアセスメントについて理解を深めていただくことにしました。危険度(10点)×発生頻度(10点)=リスクの重要度(100点)として、リスクの可能性を点数付けしていただきました。

リスクへの対応方針

そしてリスクの点数付けのあとに、リスクの行動方針を決めます。リスクというものは全てに全力で対処するのではなく、重みによって対応を変える必要があります(でないと身動き取れなくなってしまいますね)。

  • 予防=事前にリスクを回避するための対策
  • 軽減=起こることは不可避なときに傷を浅くする対策
  • 移転=自分では対応不可のため他者へリスクを移転する(上司判断にする)
  • 容認・保有=起こったとしても影響が小さいので放置する

リスクへの対応を4Mで検討する

そして最後に、4M(人・手順・手段・マネジメント)の観点で対応策を具体的に決めるようにします。

実はここまで新入社員の時期にやっておくケースはこれまでは少なかったのですが、情報発信が気軽にできるようになった今、企業にとっても新入社員にとってもリスク管理は新人研修のなかで最重要課題とも言えます。新人だから。という言葉はもはや通用しない時代となったわけです。

待遇や給与面の発信に対して炎上

某人事担当者が「給与や待遇にこだわりのある人とは働くたくない」と発信したことが炎上に繋がりました。その翌月には、別の企業で「ボーナスは「毎月受け取る月給以上の結果を出した人」にしか支給できません」と発言し炎上。

個人の発信力が高まる中で、炎上リスクも高まっています。しかし多くの企業では新入社員研修でSNS炎上に対する理解を深める内容はあまり行っていません。

炎上リスクが高いのは、6月と言われています。新入社員として入社後、数ヶ月で退職したスタッフからの発信や、気持ちのゆるみから炎上したりと本来であれば新入社員研修でSNSへの向き合い方を学ぶ必要があるのではないでしょうか。

テキストコミニュケーションを改めて学ぶ必要性

現在Chatを活用したテキストコミニュケーションは仕事を進めるうえで欠かせません。テキストコミュニケーションについても、入社時にしっかりと教育する必要が出ています。ビジネス上でどのようにテキストコミュニケーションを使うのか?やっていいことと悪いことを新人研修の中で学んでいただく必要があります。

また、学生の多くはLINEやChatを当たり前に使いこなす世代ですが、一方で、メールや文書作成などフォーマルな文書作成に対して苦手意識を持っている方も多い印象です。フォーマルな文章作成と社内でのテキストコミュニケーションを見直す必要性も出てきています。

時代が変わる中で、新入社員で学ぶべき内容も変化しています。
新入社員フォローアップ研修などでも前述のような内容を実施することをおすすめします。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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