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“営業の練習”のススメ-その7-

営業を効果的にする「営業体幹」を鍛える

最近では多くのスポーツアスリートが、この体幹を鍛えるトレーニングを取り入れています。
Webで検索すれば、それは「人間のあらゆる動作の基礎となる体の軸のことで、腹筋、背筋、胸筋、足を含む胴体の部位を指す」等と説明されていました。
全身の筋肉を効率的に使うには、これを鍛えることがとても大切なのです。

まさにこれは営業でも同じです。営業活動にもさまざまなフェーズや動作があるけれど、それも軸をしっかりさせてやらないと非効率かつ不安定になってしまいます。

では、営業の体幹と呼ぶべき軸には、どのようなものがあるでしょうか?

その一つが「営業マネジメントサイクル」という軸です。営業マネジメントサイクルは、[準備]⇒[商談]⇒[振り返り・改善]です。この軸に沿って、それぞれの部位を鍛えるのです。

当然のことながら営業活動においては、[商談]がもっとも基本となる部位ということになりますが、これを直接的に鍛えるのは困難です。この部位は、全身の「営業筋肉」を効率的、効果的に使うことができた結果、はじめて機能する部位だからです。

そこで、それをよく機能させる(商談の効果を上げる)ために、周辺の部位、[準備](これが腹筋?)や[振り返り・改善](これが背筋?)を鍛えていきます。

例えば、[準備]という部位をどう鍛えればよいでしょうか?

その中心はイメージトレーニングです。実は「営業体幹」の下の階層に「商談体幹」があります。それは商談の軸、つまり[イントロ]⇒[相手の状況の明確化]⇒[相手の問題の明確化]⇒[問題の掘り下げ]⇒[解決すべき問題の絞込み]⇒[提案]⇒[クロージング]です。このそれぞれの部位を具体的なこちら(営業マン)と相手の会話にまで落とし込んでイメージし、実際の商談の事前に必要な手を講じるようにします。

また例えば、[振り返り・改善]という部位をどう鍛えればよいでしょうか?

それは、[準備]と[商談]のギャップを見極め、次への教訓を取り出すことです。「やろうとしていたことができたか?」、「どこがうまくいって、どこがうまくいかなかったか?」、そして「次はどうするか?」(うまくいった⇒もっと良くするには?/うまくいかなかった⇒次を良くするには?)そうして次の[準備]に活かすことができる教訓を具体的に取り出すのです。

それらの部位を鍛えれば鍛えるほど、「営業体幹」、「商談体幹」が強くなり、成果がでる確率が高まります。

固定観念に囚われずに創意工夫する

ここで話は突然、野球からスキーに変わりますが、女子スキージャンプの高梨沙羅さんは、身長152センチメートルの小さな中学生です。
その彼女が男子顔負けの140m超えのジャンプをしたというのですから、これは驚くほかありません。なにせあのオリンピック男子代表の原田選手でも、同じ競技場で140mを飛んだのは30歳を過ぎてからなのです。

ただ、それを聞いた時、私は「おや?」と思いました。

私はスキージャンプに詳しくはないのですが、確か以前、身長が低いとルール上、スキー板の長さも短くせざるを得ず、スキージャンプは総じて身長の低い日本人選手には不利だ等と聞いたことがあります。あれはどうなったのでしょうか。

その快挙を見て「小さな選手にも十分可能性がある(大きな人とも戦える)のでは?」と感じた人は私だけではないでしょう。

TVニュースの解説によれば、なんでも踏み切りの際の角度に大きなポイントがあるのだそうですが、それなら体の大きさによらず誰でも、十分に練習で身につけることができるはずです。

陸上競技や水泳等でも、それまでとうてい不可能と考えられていた記録が、ひとたび破られた途端に続々と更新されるというのも、よく聞く話です。 「あ、そんなやり方もあったのか(それもありなのか)。できるじゃん!」という感じでしょう。

それは、固定観念に囚われずに創意工夫を積み重ねることの重要性を示しているのだと思います。

基軸とは、従来のやりかたを単にルール化したり、それをかたくなに信じたり、そうしたやり方を固定化するという意味ではありません。それはむしろ、これまでやっていない、新たなことを考えたり、身につけたりするために用いる尺度になるのです。

営業組織にも、よくそうした悪しき固定観念が蔓延しているのを見ることがありますので、よくよく気をつけたいものです。ひとたびそうした固定観点に囚われてしまうと、なかなか新たな試みができなくなってしまいます。特に営業の練習においては、頭を柔軟にして臨むことが大切でしょう。

(“営業の練習”のススメ-その8-へ続く)

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