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前回のコラムでは、顧客満足(CS)とリピートや口コミの関係について整理してみた。 今回は、企業がCS経営を実践する場合の手順について考えてみたい。 顧客の満足度を高めるためには、まずは、顧客の視点に立ち顧客の気持ちを理解すること、一言で言えば“顧客の立場で考える”ことが必要である。具体的には、想定するターゲット顧客が満足する要素を顧客の視点で考え、その求めるレベルを検討する。その上で、抽出された要素ごとに顧客が求めるレベルに合わせて対応していかなければならない。 しかし、企業の経営資源は限られているため、実行段階において全ての要素を今すぐに実施することは難しいかもしれない。その場合でも、その代替措置、あるいは、実施計画などをしっかりと検討するべきである。
さて、本論であるCS経営の実施手順について考えてみたい。
私達コンサルタントには、様々な相談が寄せられる。 例えば、「CSを高めたいので、接客マナーの研修をしてください」、あるいは「クレームが多くて困って追います。何とかなりませんか」、また、よくあるのが「経営理念に顧客満足とあるが、現場ではほど遠い状況です。社長からも何とかするように、口うるさく言われています」とこんな声が寄せられる。
確かに、顧客満足を高めるためには顧客接点が重要であり、そういう意味では現場への接客マナー研修や、クレーム対応研修、CS研修などが必要なことは明白である。
しかし、一時の研修や社員教育で顧客接点をいくら改善しても、会社としての継続的で一貫性のある方針や指示、指導がなければ、やがて元の木阿弥に戻ってしまうことが多いのである。
企業にとって、最も重要なのは何か? 利益(売上、顧客数のほか、あらゆる経営数値などを含む)か、顧客満足か。この結論は簡単にはでないであろう。勿論、両方とも大切であることは間違いない。しかし、経営者はお客様を大切にすることを優先したいと思っているが、往々にして現場へは数字優先、業績優先でメッセージが届くことが多い。その場合、そこにはコミュニケーションエラーが発生し情報が正確に伝達しないという問題もあるし、そもそもそのような情報(考え)を発信していないケースもある。
元ヤマト運輸社長の小倉昌男氏は、「サービスが先、利益は後」という考え方を著書「経営学」で述べている。おそらく、小倉昌男氏は実際の会社でもこの様なメッセージを、ことあるごとに繰り返し発信し続けてきたに違いない。そして、そのメッセージが全国のセールスドライバー等に伝播し、顧客が喜ぶ良いサービスを本気で提供し続けてきたのである。セールスドライバー等が、長年そのような努力を積み重ねてきた結果、クロネコヤマト(ヤマト運輸)は顧客から愛され、指示される会社になったのである。そして、この様な経営者の強く、簡潔なメッセージは、社員や組織全体にも伝わりやすく、また響きやすいのである。
まずは、トップが本気のメッセージを発信することがCS経営のスタートになる。経営トップが何を考えているのかを、幹部社員や現場の社員は、本気度も含めても鋭く感じ取る。経営者が本気でやらないことを、幹部社員や一般社員はやるはずがないと思った方が良い。
次いで、必要なのが幹部社員、コア社員への啓蒙活動である。つまり本社の役員、部長、課長や、支店や店舗の統括マネージャー、マネージャー、店長などに対する啓蒙である。具体的には、会議の場や、研修などの社員教育の場を通じて、経営トップの考え方や、CS経営の重要性を説き、理解と納得をさせる必要がある。 彼らを説得し、心からの納得感を得ることがCS経営実現のカギである。いくら現場の社員に対して接遇・接客マナーやCSの研修を行い、現場の社員教育を充実させたとしても、幹部社員がその必要性や重要性を認め、その研修等の内容を理解しなければ、前述した通り元の木阿弥になってしまう可能性が高いからである。 すなわち、幹部社員やコア社員が、顧客接点にいる現場の社員と同じ視点に立ち、現場の社員がする行為(顧客満足につながるような行為)を、認め褒めてあげることができるか。また、自身が現場で同様の状況に出会った場合に、同様のアクションがとれるか。このあたりが重要になる。 優れたCS経営をしている会社では、まずマネジメント層が自らお手本となっているケースが非常に多い。自ら手本を示せないような幹部社員では、CS経営の幹部社員として失格かもしれない。
CS経営への変革は、組織風土そのものの改革と言っても過言ではない。上述のような幹部社員等への啓蒙活動は、一貫性をもって継続的なものでなければならない。一度や二度の会議や研修でCS経営の考え方が定着するとは考えない方が無難である。
CS経営の浸透度・成熟度にもよるが、社員の意識改革の手順として最後になるのが、店舗スタッフ等への啓蒙である。店舗スタッフへの啓蒙活動は、外部講師による接客・マナー研修等の実施、コア社員による現場でのOJT型の指導や、朝夕礼での指導などを組み合わせた形で行うことが多い。ただし、一般的に現場スタッフは最も人数が多いこともあり、コストとの兼ね合いも考慮し、企業ごと、店舗ごとに最も効果的な方法を検討するべきである。
次回、実践手順(2)では、CS経営を支え続けるための、CS経営の仕組みについて考えてみたい。
著者 研修アドバイザー
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