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インバスケット演習とは?能力の定義「ディメンション」についても解説

インバスケット研修

企業の昇進・昇格試験で導入されている人材アセスメント試験ですが、そのなかでもインバスケット演習に苦手意識をお持ちの方が多い傾向にあります。そこで今回は、昇進・昇格試験のインバスケット演習に関連の深い「ディメンション」について解説します。

管理職などに求められる能力の定義を理解することで、インバスケット演習への対策に繋がりますので、ぜひとも最後までお読みください。

人材アセスメントについて

ディメンションについて知る前に、まずは「人材アセスメント」を理解しておきましょう。昇進・昇格に関わる人事考課を行う際、社内だけでフローを完結させてしまうと、評価に客観性や公平性が欠けてしまう恐れがあります。評価者が社内の人材であるがゆえ、どうしても主観が入ってしまうからです。

評価エラー
中心化傾向、極端化傾向、寛大化傾向、厳格化傾向、ハロー効果、逆算化傾向、対比誤差、期末評価
※詳細はこちらの記事でご紹介しています。

人材アセスメントは、専門知識を持つ社外のプロが人事考課を担うため、全員を同じ基準に当てはめて評価できるのが特徴。実際の業務を想定したロールプレイで演習を行い、そこでの行動をもとに評価を行います。考課を受ける側の社員の日頃の仕事ぶりなどは評価に関与しません。

おもに以下の演習が行われます。

  • インタビューシミュレーション(面談の演習)
  • インバスケット演習(問題解決の演習)
  • グループディスカッション(集団での話し合い)
  • アナリシス&プレゼンテーション(分析発表演習)​​

冒頭で触れた「インバスケット演習」とは、人材アセスメントで行われる評価方法の一つです。

インバスケット演習とは?

インバスケット演習について改めてご説明します。この演習は、被評価者が架空の設定の人物になりきり、提示された案件を制限時間内により多く処理していくものです。

ちなみに、インバスケット演習の発祥は1950年代、アメリカ海軍での能力開発が目的であったとされています。

インバスケット演習においては、課題を解決・処理する方法に正解は定められていません。問題解決に至るまでの経緯から、さまざまなスキルが測定されます。

ディメンション・スキル

管理職に求められるスキル・能力には、さまざまな要素がありますが、上位の役職になるほど、実務よりもコンセプチュアルスキル・ヒューマンスキルの比重が大きくなります。

  • コンセプチュアルスキル…組織全体を視野に入れ、総合的な情勢判断と意思決定を行う能力
  • ヒューマンスキル…円滑な人間関係を築くうえで必要な能力
  • テクニカルスキル…実務をスムーズに進めるために必須となる知識や能力

ディメンションとは?

各役職に必要な能力の要件を個々に定義したものを「ディメンション」と呼びます。以下に、インバスケット演習で測ることができる代表的なディメンションを示します。

Noディメンジョン定義
1

個人・

対人関係

自律性他に依存することなく、自己の信念や定見に基づいて行動する能力
2感受性人の気持や、状況の変化を鋭敏に察知する能力
3意思決定情報理解力情報やデータを整理し全容やポイントを把握する能力
4分析力情報を整理し、問題を明確にして、核心的な原因を究明する能力
5策定力問題の解決や課題の達成のために適切な対策を講じる能力
6決断力時期を逸さずに明快に意思決定をする能力
7業務遂行計画組織力自分自身の活動やグループの活動を実践的に設計する能力
8人材活用力メンバーの能力を有効に活用し、育成していく能力
9成果管理力計画や基準に則して事が運ぶように見届け、効果的に修正・確認する能力

これらのディメンションのみが管理職に求められるのではなく、インバスケット演習では測れない能力・スキルもあります。たとえば、チーム内でのリーダーシップや対人配慮、対面での折衝能力などは、インバスケット演習のみでは把握することはできません。

これらを測る場合には、グループディスカッションやインタビューシミュレーションなどと併せて評価を行います。人材アセスメントの演習を組み合わせることで、管理職として必要なほとんどすべての能力・スキルを測ることができます。

このような限界があることは事実ですが、現実の個人別職務での能力発揮度(あるいは業績)と、これらインバスケット演習で測る能力・スキルの評点結果の相関は非常に強いことが実証されています。

インバスケット研修で社員のスキルを向上

インバスケット演習は、人事考課の一環のみならず、研修として導入することで社員の能力向上に役立てることができます。取り扱う題材によっても異なりますが、インバスケット研修によって、問題を俯瞰的に捉え、優先順位をつけて解決に導く能力などが磨かれるでしょう。

セミナー&研修.netが行うインバスケット研修では、課題に対するそれぞれの回答をグループワークでシェアするため、受講者は自分にはない視点や考え方を身につけられます。現在の能力を測ることに加え、問題解決力や部下育成するための能力を養います。先に述べたコンセプチュアルスキル・ヒューマンスキルを伸ばせるため、社員のマネジメントスキルを底上げしたい場合などに適しています。

インバスケット研修〈マネジメント編〉のカリキュラムをチェック!

なお、インバスケット研修は対象となる課題や職層が異なる複数のパターンを用意しているため、マネジメントスキルの向上以外にも対応しています。

インバスケット研修のラインナップはぜひこちらを参照してください。

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