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【2024年最新】ハラスメント防止研修の効果的な進め方・事例集

職場のハラスメント対策、本当に効果を発揮していますか?2024年、パワハラ防止法の完全施行から2年が経過しましたが、むしろハラスメント相談件数は増加傾向にあります。特に、リモートワークの普及により新たな形のハラスメントも発生。従来の研修だけでは対応しきれない状況が生まれています。

本記事では、最新のハラスメント事例と効果的な防止研修の進め方について、具体的な実施方法をご紹介します。

この記事から以下のことが学べます

  • 2024年最新のハラスメント動向と法的要件
  • 効果的なハラスメント防止研修の設計方法
  • リモートワーク時代に対応した新しい研修アプローチ
  • 具体的な事例を用いたグループワークの進め方
  • 研修効果を高めるためのチェックリストと実践ポイント

記事の筆者 大木 ヒロシ

タブロイド紙記者としてのジャーナリスト経験を経て実業界に転身。複数の企業体とフランチャイズチェーン本部を立ち上げた経営実務経験を持つ。その豊富な経験を活かし、ジャイロ総合コンサルティング株式会社を設立。現在は、ハラスメント防止研修を中心に、コンプライアンス、事業承継など幅広い分野でのコンサルティングと講演活動を展開。

大手企業から中小企業・商店まで多くの成功事例を持ち、年間200回を超える講演をこなす超人気講師。

感動と共鳴を生む独自の講演スタイルには定評があり、ハラスメント防止に関する実践的かつ効果的なアプローチで、多くの企業や組織の職場環境改善に貢献している。

ハラスメント防止対策の現状と課題

2024年最新!ハラスメント相談件数の動向

まず、最新のデータから見ていきましょう。厚生労働省が発表した2023年度のハラスメント相談件数は、前年比15%増の87,000件を記録しました。この数字、どう感じますか?「えっ、まだ増えているの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。

実は、この増加には複雑な背景があります。パワハラ防止法の施行により、企業の対策が進んだことで、逆に相談しやすい環境が整ってきたという側面もあるのです。つまり、「潜在的な被害が顕在化している」とも言えるわけです。

特に注目すべきは、相談内容の変化です。従来のパワハラやセクハラに加えて、「リモートハラスメント」や「デジタルハラスメント」といった新しい形のハラスメントが増加しています。例えば、オンライン会議中の不適切な発言や、業務用SNSでのプライバシー侵害など、働き方の変化に伴う新たな課題が浮き彫りになっているのです。

パワハラ防止法完全施行後の変化

2022年4月に中小企業にも適用が拡大されたパワハラ防止法。完全施行から2年が経過し、企業の取り組みにも変化が見られます。特に注目すべきは以下の3点です:

  1. 相談窓口の設置率の向上:大企業では98%、中小企業でも85%まで上昇
  2. 研修実施率の増加:年1回以上の研修を実施する企業が70%を超える
  3. 就業規則への明文化:ハラスメント禁止を明記する企業が90%以上に

一見、対策が進んでいるように見えますが、実は形式的な対応にとどまっている企業も少なくありません。例えば、相談窓口を設置したものの、実際には機能していないケースや、研修を実施しても内容が形骸化しているケースなどです。

重要なのは、単に「対策をした」という事実だけでなく、その質と実効性なのです。後ほど、効果的な研修の進め方について詳しくお話ししますが、まずは現状の課題を正しく認識することが大切です。

リモートワークで新たに発生した課題

コロナ禍を経て、リモートワークが一般化した今、新たなハラスメントの形が出現しています。これらは従来の対策では十分にカバーできない、新しい課題と言えるでしょう。具体的には以下のような事例が報告されています:

  • オンライン会議中の不適切な発言や態度
  • 業務用チャットでのプライバシー侵害
  • 勤務時間外の過度な連絡
  • リモートワーク環境の格差によるいじめ

例えば、ある企業では、上司が部下の自宅背景を批判し、「そんな環境で仕事ができるのか」と発言したことがハラスメントとして問題になりました。また、別の事例では、チャットツールで深夜まで業務連絡が続き、プライベートな時間が侵害されるという相談も増えています。

これらの新しい形のハラスメントに対しては、従来の対策に加えて、デジタルリテラシーやリモートワークのエチケットに関する教育も必要になってきています。企業は、この変化に迅速に対応し、新しい働き方に適した防止策を講じる必要があるのです。

法的要件と企業に求められる対応

パワハラ防止法の基本要件と最新の法改正

パワハラ防止法(正式名称:労働施策総合推進法)は、職場におけるパワーハラスメントの防止を企業に義務付けた法律です。2020年6月に大企業向けに施行され、2022年4月からは中小企業にも適用が拡大されました。この法律の基本要件を押さえておくことは、企業のコンプライアンス上、非常に重要です。

パワハラ防止法の主な要件は以下の3点です:

  1. 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
  2. 相談体制の整備
  3. 事後の迅速かつ適切な対応

これらの要件を満たすために、企業は具体的に何をすべきなのでしょうか?例えば、方針の明確化については、就業規則にハラスメント禁止を明記したり、社内ポスターを掲示したりすることが挙げられます。相談体制の整備では、専門の窓口を設置し、相談員を配置することが求められます。

最新の法改正では、2024年4月から、パワハラに関する措置義務の実効性を高めるため、以下の点が強化されました:

  • 相談窓口の外部委託を認める(中小企業向けの負担軽減措置)
  • 防止措置の実施状況の公表を義務化(従業員301人以上の企業)
  • 是正勧告に従わない企業名の公表制度の導入

これらの改正により、企業のハラスメント対策がより一層強化されることが期待されています。特に、公表制度の導入は、企業のレピュテーションリスクにも直結するため、真剣な取り組みが求められるでしょう。

中小企業に求められる具体的な対策

中小企業にとって、ハラスメント対策は「やらなければならない」けれど、「どうやればいいのかわからない」という悩みを抱えている経営者も多いのではないでしょうか。実は、中小企業ならではの強みを活かした対策が可能なのです。

まず、中小企業に求められる具体的な対策を見ていきましょう:

  1. 社内規定の整備:ハラスメント禁止を明記した就業規則の作成
  2. 相談窓口の設置:内部または外部に相談できる体制の構築
  3. 研修の実施:経営者から一般社員まで、全社員を対象とした定期的な研修
  4. アンケート調査:匿名でのハラスメント実態調査の実施
  5. 迅速な対応体制:ハラスメント発生時の調査・対応フローの整備

これらの対策を実施する上で、中小企業ならではの強みを活かすことができます。例えば、社員数が少ないことを活かして、全社員参加型のワークショップを開催し、みんなで職場の理想像を描くことができます。また、経営者と社員の距離が近いことを活かして、日常的なコミュニケーションの中でハラスメント防止の意識を高めることも可能です。

一方で、リソースの制約がある中小企業にとっては、すべての対策を一度に実施することは難しいかもしれません。そんな場合は、優先順位をつけて段階的に実施していくことが大切です。例えば、まずは社内規定の整備と相談窓口の設置から始め、徐々に研修やアンケート調査へと拡大していくといった方法が考えられます。

重要なのは、形式的な対応ではなく、自社の実情に合わせた実効性のある対策を講じることです。中小企業の強みを活かしながら、着実にハラスメント防止の取り組みを進めていきましょう。

ハラスメント防止体制の強化を検討されているなら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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