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新入社員向け営業研修で伝えたかったこと

セミナー&研修ネットの渋谷雄大です。

先日、新入社員向けの営業研修の講師として登壇させていただきました。
内容としてはは、営業パーソンとしての心構えや営業手法についてがテーマでした。
受講者のみなさんは、入社して数ヶ月しか経っていないものの、
少しずつ悩みや課題が出てきている時期ですので、
今回の営業研修では、数ヶ月経って出てきている悩みや不安の解決を目的として、受講者と対話型で研修を進行しました。

今回の新入社員向け営業研修は全12回(1年間通して)で、今回は営業研修の2回目。
長い営業研修講師の経験から、入社1年目の教育体制って非常に重要なのだと実感しています。

入社後1年目に学ぶべき相手。そう「誰から何を学ぶか?」によって将来の社会人としての伸びしろはある程度決まります。

私もそうですが、社会人1年目の教育が長年自分自身の価値観の源泉になっています。あのとき教えられたことが社会人としての基礎となり、その土台の上に、経験や能力を積み上げていくという基礎工事の段階です。

新入社員時代はスポンジのようにとても吸収力が高いですから、そこでの上司の価値観や指導方法、どのような研修を受けたか?
によって社会人生活の基本的な価値観のベースが固まります。

そんな状況でお引き受けさせていただいた新入社員向け営業研修です。
講師としても何をどのように伝えるべきか?をしっかり考えて臨まなければなりません。

営業として誠実かつ素直であること(身口意)

なんとなく昔の営業といえば、口八丁、手八丁のようなイメージもあったのではないでしょうか?

特に訪問営業などが法律的にも整備されていない時代はほんとうに酷い時代だったと感じます。夜討ち朝駆けのような言葉が当たり前に使われていた時代。

しかし現在、トップセールスとして必要な最も大切な能力のひとつが

「誠実であること=嘘をつかない」
「素直であること=相手の言葉をフラットに読み取れる」

だと考えています。

嘘をつかない、「そんなのは当たり前だろ」と思うかもしれませんが、それは本当でしょうか?
自分自身が取り扱う商品やサービスは本当に好きですか?
お客様が趣味の話をされた際に、愛想笑いしていませんか?

少しも嘘をついていませんか?

自分自身の本来の気持ちと発している言葉が一致しているでしょうか?ひとつひとつの言葉や行動に対して、誠実であり表裏がないことは営業として、人として、とても大切な時代。誠実であるということは、信頼を獲得する上で必要不可欠。

密教に「身口意」という極意がありますが、この言葉が好きで手帳などにも書いています。

身=行動
口=言葉
意=心

この3つを一致させることが密教の極意と言われているのですが、
極意というくらいですから、実現させることはとても難しいことだと言うことです。

自分自身も、身口意ができているとは思いませんし、密教の極意というくらいだから習得は難しいのかもしれない。

けれど、そこに向けて日々の鍛錬と意識を向けていくことは重要。
営業活動において身口意を一致させるように意識することだけでも顧客の信頼は厚くなっていくのではないでしょうか。

小さな約束こそが誠実さの表れ

そして営業活動において、顧客との約束こそがその人の誠実さを図るバロメータとなります。

大きな約束=次回のアポイント日時を守る、契約書をいついつまでに揃える、など。しっかりした約束事を守るのは営業パーソンとしては当然のことですし取り立てて書くべきことではないでしょう。それ以上に重要なのは「小さな約束」です。小さなな約束とは、「このあたりでおすすめのお店教えてください。→あそこ美味しいよ→今度行ってみます!」「あの本おすすめだよ→今度読んでみますね」のような立ち話で行われるようなほんとに些細な会話から生まれる約束事です。

多くの営業パーソンは、この約束を約束として認識しない場合が非常に多い。すっかり忘れてしまうわけです。顧客側は小さな約束でも覚えていることが多いものです。
ただ、些細な約束事がゆえに、その約束が果たされなくても、「しょうがないよな。」となんとなくモヤモヤした状態で進んでいきます。

私自身は、多くのトップセールスの方々と話す機会があるのですが、そういう方こそ、小さな約束ほど大事に守る重要性を知っています。
それが顧客の信頼を深める絶好のチャンスだと理解しているのですね。

営業としては、積極的に小さな約束を交わすこと、そしてその小さな約束を果たすこと、これが優良顧客を増やす道だと言えます。

どんな話でも楽しんで聞ける営業に必須の能力(ブジャデ力)

トップセールスは、とにかく「目の輝きが違う」のが共有点です。

目の輝きとは、素直な心で興味を持って聞けること。

デジャブという言葉は聞いたことがあると思いますが、その逆の意味を指す「ブジャデ」という言葉があります。

ブジャデは、アメリカのコメディアン、ジョージ・カーリン氏による造語です。意味は、まさにデジャブの反対で、よく知り、見慣れた物事の中に、新しい気付きや新しい視点を得ることを指します。ブジャデは、日常生活の中で、よく見かける物事や場所、人々に対して、新しい発見や気付きを得ることです。例えば、いつも通っている道で、いつもと違う風景を見たり、いつも会う人に、新しい一面を見たりすることが、ブジャデです。ブジャデは、クリエイティブな発想や、新しいアイデアを生み出すためのきっかけとなります。いつも見慣れている物事や場所に、新しい視点を持って、物事を見ることで、新しい発見や気付きを得ることができます。ブジャデを意識することで、日常生活をより豊かにすることができます。また、ブジャデは、クリエイティブな発想や、新しいアイデアを生み出すためのきっかけとなります。

まさしくトップセールスの多くは、このブジャデ力を備えていると言えます。

ちなみに、トップセールスが絶対言わない言葉は「それ前に聞きましたよ」「それ知ってます」など。聞いたことがないです。

顧客のなかには毎回同じような話を繰り返してくる人や、こちらがよく知っていることを自慢気に伝えてくる顧客など様々います。
こんな時に、普通の営業パーソンなら「つまらなそうに聞く」、「自分の話に誘導しようとする」などの行動が顕著に現れます。

あるトップセールスに聞いたことがあります。

「なんでそんなに楽しそうに、興味深そうに聞けるんですか?この話って●●さんなら知っている話ですよね?」

答えは、

「だって自分自身がいつも成長するように努力をしているし、成長しているから同じ話をされても同じ話には聞こえないだよね。きっと自分自身が変化しているからかな。それにつまらなそうに聞く、知っているアピールを相手にすることによって誰がどんな得をするの?そういう話の聞き方って、話す側も聞く側にとってもみんなが損するだけだよね。わざわざみんながマイナスになるようなことする必要ある?それだったら楽しく話を聞くことだし、自分自身が毎回新鮮に聞けるように工夫することが営業にとって大切だと思うんだ。」

でした。

みなさん、それぞれ意見があるとは思いますが、なるほど!と感じました。

新人営業の受講者にとっては、今はなかなかイメージできない話も多いかもしれません。しかし、新人営業がはじめに営業テクニックを学んでしまえば、テクニック偏重型の人材になって今います。

また1年もすれば、大きく差が開いていくのが営業の世界。トップセールスが習慣にしている行動や思考を1年目で癖付けることが本当に大切。はじめに「良き習慣」を身につけることが長い社会人人生の中で成長をし続けていくためにやっておくべきこと。

営業にとって必要なのはまずは「あり方」であり、テクニックはその後。将来的に、営業として壁にぶち当たったときに、思い出してもらえるよう、今回の営業研修が突破口になるような研修を実施させていただきました。もちろんその上で、営業テクニックやコミュニケーション、交渉術などの営業スキルの習得が優秀な営業パーソンを育成する近道だと思います。あと10回、セミナー&研修ネット講師陣で全力でサポートしていまいります。

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