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その文章、伝わっていますか?「相手を動かす」ロジカルライティングのススメ

テレワークの普及やDXの推進のともない、ビジネスシーンにおけるコミュニケーションの手段も大きな変容を遂げました。顔を突き合わせた会話の機会が減った分、メールやチャットを用いたテキストコミュニケーションが活発になったという企業が多いのではないでしょうか。

メールだけでなく、ChatWorkやSlack、Microsoft Teamsといったさまざまなツールが普及しており、いずれもメッセージ機能あるいはチャット機能を備えています。ちょっとしたメッセージのやりとりにおいて「自分の意図が伝わっているかな?」と心配になった経験や、相手のメッセージを読んで「何を伝えたいのかわからない」と思った経験は少なからず誰でもあるはず。

会話が上手な社員が、文章作成にも長けているとは限りません。社内外を問わず仕事相手とより円滑なコミュニケーションをとるためのスキルとして、ロジカルライティングを身につけておくことが欠かせません。もちろん、企画書や提案書の作成にも役立てることができます。今回は、ロジカルライティングが必要である理由や、今日から使える文章作成の小技などをご紹介します。

ロジカルライティングとは?

ロジカルライティング(Logical writing)とは、論理的な文章を作成するための方法を指します。ビジネスシーンでは、文章にわかりやすさや論理性が求められます。

面と向かって会話をする際、自分の話し方が論理的であるかどうかを意識したことはありますか?口頭で何かを伝える際、表情や声色、身振り手振りを用いるため、言葉以外の部分でも相手に訴求ができます。しかし、テキストだけで何かを伝えるとなると、普段の会話のようにはいきません。相手に要望や要件を伝えるための材料は「文字」のみです。

ロジカルライティングを習得することで、ビジネスシーンでのコミュニケーションをより円滑に進められるようになります。

論理的な文章を書くためのポイント

①文章の目的を明確にする

ロジカルライティングのゴールは、相手に情報を伝えることではありません。文章を読んだ相手にあなたの要望を伝え、行動を促すのが最終的な着地点となります。日々何気なく送っているビジネスメールやチャットにも、必ず目的があるはずです。

例)
・相談に乗ってほしい
・会議の出欠をとりたい
・プロジェクトの進捗を報告したい
・企画に賛同してほしい

また、企画書や提案書などのビジネス文書でも、主題がはっきりしていないことには内容がぼやけてしまいます。文章を書く前に、まずは「何を伝えたいのか」を明確にします。そして、冒頭で結論を述べることで文章の趣旨をスムーズに理解してもらうことができます。

②結論に対して根拠を記載する

「相手の行動を促す」というロジカルライティングの目的を達成するためには、読み手が納得するような説得力のある文章作成が欠かせません。文章に説得力を持たせるためには、結論を述べたあとに根拠を説明する必要があります。

たとえば、ただ「この定食屋はビジネスマンにおすすめです」と伝えるよりも「この定食屋はビジネスマンにおすすめです。ワンコインのメニューがあるのでお財布にやさしいうえ、注文から提供まで5分もかからないことから時間がない時でも入りやすいからです」と理由まで述べた方が、おすすめの理由がより明確に訴求できますよね。

このように、文章で自身の考えを伝えたり、提案したりする場合、結論とセットで理由や根拠を述べるように心がけてみてください。この点を意識するだけで、文章の説得力がグッと増します。

PREP法

ここで、文章作成のためのフレーム「PREP法」についてご紹介します。PREP法は、結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)の流れで文章を展開するのが特徴です。

【結論(Point)】
この定食屋はビジネスマンにおすすめです。

【理由(Reason)】
ワンコインのメニューがあるのでお財布にやさしいうえ、注文から提供まで5分もかからないことから時間がない時でも入りやすいからです

【具体例(Example)】
先日利用した際は500円の親子丼セットを注文しましたが、2分で運ばれてきたのでサッと食べられて、貴重な昼休みを有効に使うことができました。

【結論(Point)】
ビジネスマンにとってのうれしいポイントを押さえたお店なので、ぜひ足を運んでみてください。

③文法や言葉遣いをブラッシュアップする

ビジネス文書にふさわしい言葉遣いや、正しい文法を意識して文章を作成することも大切です。どれだけ論理的な文章を展開できたとしても、稚拙な言葉遣いや文法に誤りが目につくと説得力が下がってしまいます。以下は、起こりやすい言葉遣いや文法のミスについてまとめています。

・ら抜き言葉
口頭の会話では気になりにくい「ら抜き言葉」ですが、文章になると違和感が生じる場合も。「食べれない」→「食べられない」、「見れない」→「見られない」など、ら抜き言葉を使用していないか、チェックは欠かさないようにしましょう。

・文章のねじれ
主語と述語が一致していないねじれた文章は、読みにくい印象を与えるばかりでなく、伝えたい情報を誤認識させてしまう恐れもあります。
「今回の会議の主題は、DX化の推進のために取り入れるツールについての話し合いましょう」
この文章は主語が「会議の主題は」述語が「話し合いましょう」となり、主語・述語が一致しません。
「今回の会議では、DX化の推進のために取り入れるツールについての話し合いを行います」など、ねじれのない文章へと整えるだけで格段に読みやすくなります。

ロジカルライティング研修で、従業員の文章力を底上げしましょう

企業全体のテキストコミュニケーションを円滑にする、企画書や提案書の精度を上げるなどの目的がある場合、セミナー&研修ネットの「ロジカルライティング研修」の実施を検討してみてはいかがでしょうか。
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