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日本の企業のリスキリング事情!実施済みの企業はわずか○%

リスキリングとは新しい時代に必要となる能力を得るため、スキルを獲得する/させることを意味します。

「【入門編】話題のリスキリングとは?従業員のスキルを研修でアップデート」でリスキリングの基礎知識を、「人事・研修担当者必見!リスキリングを導入した企業の事例をご紹介」では企業の導入事例についてご紹介しました。

世界経済フォーラム年次会議(ダボス会議)や岸田総理の所信表明によって注目度が高まった「リスキリング」。日本では経済産業省が中心となり、デジタル人材育成プラットフォームの開設や「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を定めるといった施策が実施されています。

実際には、日本でリスキリングを行っている企業の割合はどれぐらいになるのでしょうか。また、どのようなスキルの向上をサポートしているのでしょうか。今回は、複数のアンケート調査の結果をもとに、企業のリスキリングの実態を紐解きます。

リスキリングの実態とは

ここで、転職支援事業を営む株式会社ワークポートが全国の企業(従業員数100名以下~5000名以上)の人事担当者に向けて行ったアンケート調査についてご紹介します。

「リスキリングの必要性を感じているか?」という設問に対し、回答は以下の通りでした。(N=133)

  • 今すぐにでも必要(29.3%)
  • すぐにではないが今後必要になる(55.6%)
  • 必要ではない(15.0%)

この結果から、リスキリングの必要性を感じている企業は8割を超えるものの、「急を要する」と考えているのは全体の3割以下であることがわかります。

次に「リスキリング施策を実施しているか?」という設問に対しては、結果は以下のようになりました。(N=133)

  • 実施している(23.3%)
  • 今後実施する予定(7.5%)
  • 実施していない(69.2%)

前の設問では多くの企業がリスキリングが必要だと回答しているにもかかわらず、実際に取り組みをスタートしている企業は2割強にとどまりました。

また「実施している」と回答した企業を対象への「どのようにリスキリング施策を実施しているか?」と問いかけには、下記の回答がありました。(N=41)

  • 自社独自のカリキュラム(61.0%)
  • 外部機関に委託(48.8%)
  • その他(24.4%)

リスキリングを実施している企業の6割以上が自社独自のプログラムを用意していることがわかりました。オリジナルの学習コンテンツを用意するとなると、制作にもリソースが必要となります。とくに人員が少ない中小企業の担当者にとっては、ハードルが高いと感じる場合もあるでしょう。

データ引用:株式会社ワークポート『【調査報告】人事担当者に聞いた!企業の「リスキリング」に関する実態調査 リスキリングが必要な企業は84.9% 29.3%がデジタル人材育成・DX化推進に「今すぐ必要」 一方で実施企業は23.3%のみ 時間・人手・費用がネック 従業員側の主体性も課題』

リスキリングでは何を学ぶ?

次に、株式会社manebiが国内の企業500社に対して行ったアンケート調査の結果を一部ご紹介します。

「どのような分野のリスキリングを実施していますか︖」という問いに対し、以下の回答がありました。(※回答は複数選択可、N=329)

  • データ分析(40.12%)
  • 情報セキュリティー(39.82%)
  • ITリテラシー(37.39%)
  • デジタルマーケティング(31.61%)
  • PC基礎(19.76%)
  • プログラミング(15.5%)
  • AI(11.55%)
  • デザイン(9.73%)
  • 動画作成(8.21%)
  • その他(12.46%)

情報セキュリティー(39.82%)、ITリテラシー(37.39%)、PC基礎(19.76%)といった、基本的なITスキルについてもリスキリングを実施または予定している企業が多いことがわかります。

データ引用:PR TIMES『リスキリングを実施している国内企業は約5割。データ分析、セキュリティーなどDXの基礎教育が大半に〜大企業ではリスキリング予算1億円以上が2割に〜』

自社の状況に合わせたリスキリング計画が大切

2つのアンケート結果から、多くの企業がリスキリングの必要性を感じてはいるものの、導入には踏み切れていないという現状が表れています。また、実施中(実施予定)の企業が選択している分野から、基礎的なITスキルの学習が必要とされていると読みとることができます。

リモートワークの普及やDXの推進により、年代を問わず多くの従業員がITツールに触れる機会が増えました。そこで浮き彫りになるのが、個々人のITの習熟度の差です。この差を埋めて円滑に業務を進めるために、基礎的なITスキルについてのリスキリングを行う企業が多いのではないかと予想できます。

企業がリスキリングを実施する際、まずは自社が今後発展していくためにどのようなスキルを持つ人材が必要なのかを明確にすることが重要です。たとえばITの習熟度が低い社員が多く、DX化推進のボトルネックになっているになら、基本的なPCスキルやITリテラシーに関する学習を促すのが効果的です。

また、これまで外注していたWeb広告やSEO対策をインハウス化し自社運用を行う計画があるのなら、ITに対する興味・関心度が高い社員を集めてデジタルマーケティングに関するリスキリングを実施するという方法があります。この2つの例のように、経営計画や現状の課題などの分析結果をもとに、リスキリングを行う分野・対象者などを絞り込んでいきましょう。

自社でリスキリング用の学習コンテンツを用意するのが難しい場合は、専門の会社に相談してみるのも一つです。セミナー&研修.netでは、ITリテラシーを高める情報セキュリティー研修や、これからのプロモーションに必要なSNSの活用についての研修、ITツールを使ったコミュニケーションの研修など、DX化をサポートするためのさまざまなカリキュラムを用意しています。

一社一社の状況に合わせて研修内容をカスタマイズできるため、業種や職種にマッチした内容でリスキリングが可能です。これからより注目度が高まるリスキリングについて、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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