ハラスメント法改正に向けて、事前のハラスメント防止研修を考える


パワハラやセクハラなど職場におけるハラスメント対策の強化を中心とした女性活躍・ハラスメント規制法が先月29日に参院本会議で賛成多数で可決、成立しました。パワハラ対策の義務化については大手企業で来年の4月には開始され、中小企業は努力義務からスタートし2年後以内に義務化される予定です。

  • 女性活躍・ハラスメント規制法のポイントは、
  • セクハラ、パワハラ、マタニティハラスメントは行ってはならない、と明記。
  • パワハラ防止の取り組みを企業に初めて義務付け。相談体制の整備など具体的内容は指針で規定する方針です。
  • セクハラ、パワハラ、マタハラの被害を相談した労働者への解雇など不利益な取り扱いを禁止する。
  • 自社の労働者が社外でセクハラをした場合、被害者側の企業による事実確認などへの協力を努力義務とする。
  • 女性活躍の数値目標策定義務を中小企業に拡大する。

罰則規定こそ見送られましたが、義務化が厳密に規定された事から企業の大小を問わず対応が急がれます。

 

ハラスメントの原因は企業や業界の伝統、文化に内在しているケースが少なくなく、故に上位者やベテラン社員ほど気づき難いという面があります。

会社のために頑張る、それが、やがて我がためにもなる。間違いだろうか?しかし、それが社会通念から見て行き過ぎていればハラスメントとして認定されてしまうという恐さがあるのです。一方、パワハラもセクハラも受け手の認識により異なります。同じ言葉が激励ととられ、かたやハラスメントととられる事はままあることです。 こうした事態がハラスメントの問題を難しいものにしています。

「#KuToo」をご存知ですか、今やSNSを通じて全国的な広がりを見せています。

「女性はヒールの付いたパンプスが適正」とする、これまでは一般的だった企業通念に対して、女性の多くがパンプスを常用することに「クツーを感じている」というメッセージなのです、こうした事態を無視すればやがてハラスメントに発展しかねない可能性もあるのです。以前の「当たり前」が今となっては「当たり前」で無くなりつつあります。

先の「#KuToo」に見られるようにSNS等の普及は個人の発信力を異常な程に高いものにしつつあり、ひとたびハラスメントが起こればSNS等を通じて拡散し、場合によってはブラック企業の烙印を押され兼ねません。こうした事態に陥れば人手不足の中、人員募集を大きく妨げる要因となってしまうでしょう。合わせて、企業イメージを損ないブランド毀損の恐れの可能性すら考えられます。こうした状況は法的な罰則以上に重大な事態となってしまい兼ねません。

 

厚労省の調査によると、全国の都道府県労働局に寄せられる労働紛争相談のうち、パワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は15年連続で増加しており、2017年度は7万2067件に上りました。相談内容別でも6年連続トップで、深刻な状況が続いています。

 

アンケート調査によれば、ハラスメントによる弊害は

  1. 職場の雰囲気が悪くなる1%
  2. 従業員の心の健康を害する5%
  3. 従業員が十分に能力を発揮できなくなる3%
  4. 職場の生産性が低下する0%
  5. 人材が流出してしまう3%
  6. 訴訟などによる損害賠償など金銭的負担が生じる3%
  7. 企業イメージが悪化する0%

等々が上げられており、ハラスメント防止は法制化に先んじての対策が不可欠な状況です。

 

ハラスメント問題は人対人の関係性の中で発生・拡大し取り返しのつかない状況に追い込まれていきます。ですから、ハラスメント問題は「人の数だけ事例がある」とも言えるわけです。

事例を「教えてもらって、覚えても」同じような事はまず起きません。

ハラスメント研修は「教える」「覚える」では実際の効果にはつながりません。自ら「当事者意識」を持ち、そして自らの立場で「考える事」を身につける事が重要です。

こうした状況に向けた事前対策としては「ハラスメント防止対策研修」等が中心となります。

弊社の研修では「ハラスメントにおける被害者・加害者がどのような損害を被ってしまうのか」に着目し、しっかりとした当事者意識を持つ事からスタートします。

研修スタイルは講師との双方向の議論型講義で進め、自ら問題として「考えて対処する」事を身につけていただきます。

ハラスメント研修は「管理職向け」と「一般職向け」に分けて行うようにしています。

管理職向けでは先に述べたように「上位者やベテラン社員ほど、ハラスメントの陥穽に陥りやすい」という観点から講義を進める事でハラスメント(特にパワハラ)への認識を新たにしてもらい、その上で「働き易い職場」「人の集まる、明るい職場」づくりを目指した指導・監督が行えるよう講師と共に自社の状況に合わせて考えていただきます。このような研修形態は、ハラスメントに対応する実務性と実効性が高まると評価をいただいております。

一般職向けでは、「パワハラはあらゆる職場にあり得ます。我慢する事は解決策にはなりません」という点に言及し、上司も部下も、良い意味での緊張感を持って互いに尊重し合って交流する必要がある事と、そのための基本的な行動様式を学習します。 研修では、講師が一方的に講義するのではなく、受講者が納得し、行動できるロールプレイを多く取り入れる事で、理解と対応力を高め、高い実効性を確保しています。

先にも述べましたように「ハラスメント」は企業や業界の文化・歴史に深く関わっており、気づかずに進行し、やがて取り返しのつかない状況に追い込まれてしまいます。弊社の研修は、一般論的な講義を中心とするのではなく、貴社の状況に則したオリジナルテキスト構成も行っており、研修の実効性を高めております。

 

 

著者 大木ヒロシ

フランチャイズチェーンを複数立ち上げた経験を持ち、その経験を元に、セミナーおよびコンサルティングを業務とするジャイロ総合コンサルティング(株)を立ち上げる。現在では、大手企業から中小企業・商店までの多くのコンサルティングにおける成功事例を持つ。また、年間の講演回数は200回を越える超人気講師でもあり、感動と共鳴を生む講演スタイルは他に追随を許さず、日常は多忙を極める。また、「商業界」や「ファッション販売」「食品商業」「日経ストアデザイン」「日経ギフト」「日本のFC年鑑」「独立開業」「オールセールス」「ストアジャーナル」などの雑誌の特集記事、新聞記事などを多く手がけている。
【著書】
『実務シリーズ 売る営業から、顧客を“活かす”営業へ』(SMBCコンサルティング)ほか多数

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