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提案型営業の限界と突破のポイント

提案型営業力の限界

セミナー&研修ネットでは、提案営業をテーマにした営業研修を多数実施しています。

先日も新潟県三条市で若手経営者向けに提案型営業力の強化をテーマに研修を実施させていただきました。
ここ何年かで市民権を得た「提案型営業」「コンサルティング型営業」「ソリューション営業」をテーマに営業研修を実施してほしいということでした。

提案には受け身と攻めとが存在していることを理解する

マシュー・ディクソンの著書「チャレンジャーセールスモデル」という本があります。その中には、世界中の営業・販売は次の5パターンに分かれるとしています。

  • ハードワーカー(勤勉タイプ)
  • チャレンジャー(論客タイプ)
  • リレーションシップ・ビルダー(関係構築タイプ)
  • ローンウルフ(一匹狼タイプ)
  • リアクティブ・プロブレムソルバー(受動的な問題解決タイプ)

そしてその中でも最も成果を上げているタイプは「チャレンジャー(論客型)」であると結論づけています。

講演や研修、コンサルティングでいつも疑問に感じていたことの答えがここに書かれていました。
提案型営業はほんとうに優秀な結果を残しているのか?ということでした。

もちろん海外の書籍ですので、日本のケースに全てが当てはまるわけではないのですが本質的なものは非常に近いと感じています。

私が成果に繋がっていないと感じているタイプは、日本人が昔から提案型営業と呼んでいる「受動的な問題解決タイプ」だったのではないでしょうか。
私がいつも伝えていたものは「論客タイプ」と呼ばれているもので、実はこれは攻めの提案型営業と呼んでも差し支えないように感じます。近年、インサイトセールスと言い換えても良いかと思います。

受動的な提案型営業と攻めの提案型営業との違いは、「相手の想定を超える(想定すらしていなかった)提案ができるかどうか」。

受動的な提案営業は取引先にヒアリングをして提案をするのですが、相手の想定内の提案をすることが多くなります。ですので「あーなるほどね」程度の反応が返ってくるケースが多いようです。一方、攻めの場合は、相手が想定していなかった全く別の切り口での提案がしばしば行われます。相手の反応は「そんな提案はじめてです!」というあkンジになります。

私も営業時代に「今回お客様からお聞きしていて感じたのですが当初お客様が想定してるような内容では充分な効果が得られないように感じます。少し話がズレるのですが、お客様のためになると思いますので少しお話しさせていただいてもよろしいでしょうか?」というように相手の想定をある意味否定して提案することがありました(チャレンジャーセールスという言葉や概念は全く知りませんでしたが)。

自分はプロである

なぜか営業というと相手の言いなりになって、相手の要望”だけ“を100%叶えようと単なる御用聞き営業に成り下がっています。
そしてそれを提案型営業と呼んでいる企業も多いのが現実です。

しかし、良く覚えておいて欲しいのは、自社の商品に最も精通しているのは何を隠そうあなた自身なのです。お客様以上の知識と経験を持っています(持っていなければこれから生き残れません)。

お客様の要望を聞くにしても、主導権は売り手(あなた)にあります。お客様が色々な要望を伝えてきたとしても、プロであるあなたから見て最適でないと感じた場合は自信を持って「否定しなければなりません」。またお客様が気に入ったとしてもそれがベストな提案でないのであれば、異なる提案をすべきです。

似合っていないにも関わらず、何でもかんでも「お似合いです」を連発する洋服屋の店員さんみたいなものです。下心が先行して相手のことなどどうでも良くなってはその場は良いかもしれませんがリピートや紹介など起こりません。それどころかSNSでネガティブな口コミを書かれるのがオチでしょう。世の中のカリスマ店員と呼ばれる人たちは似合わないものはハッキリ似合わないと伝えた上で、別の提案を持ってくるんです。しかもその提案は、お客様が普段選ばないような柄だったりするわけです。試しに試着してみるとあら意外。似合っている。

論客型と呼ばれる営業は、相手に合わせすぎず、プロとしての鑑識眼で自信を持って提案する人の事を言うわけです。

本当の提案力は自社以外でも自信を持って勧められるかどうか?

そしてもう一つ大切な事は、自信を持って競合他社を勧めることができるくらいの余裕がない限り本来の提案型営業はできないという事です。お客様に最適な提案をする際に、自社の商品では対応しきれないことがあります。そんな時は、自分の顧客にしようと無理売りするのではなく、競業他社であっても勧められる人なのです。

そして自信は信念から生まれます。

このような相手の想像を超える提案をする場合、多くのお客様は拒否反応を示します。それでも論客型は辛抱強く相手の説得を試みるのです。どんなに拒否しても引き下がらず、提案の重要性を訴えかけるわけです。一方受け身の提案型営業の場合は、お客様に常に振り回されます。相手の要求が変わると、提案もどんどん変わっていってしまうわけです。プロとしての骨太のコンセプトを貫くことができなくなります。

提案型営業に必要なスキルとは、徹底的に相手の立場に立った上でプロフェッショナルとして自信を持って提案できる知識と知恵。そしてお客様に納得させるだけの忍耐力が必要なのです。

優秀な提案型営業は、観察力と洞察力に優れている

ちなみに相手のインサイトを見つけ出し、相手を驚かせる提案ができる営業には「観察力と洞察力」が備わっているケースが非常に多い。
観察力とは、物事を注意深く、正確に見定めること。とされています。洞察力は、観察力とは異なり、その裏側に隠れている物事の本質を見抜くこととなり、インサイトセールスを行う際には必須のスキルとなります。

チャレンジャーセールスは決して、ゴリ押しの営業ではなく、相手の状況を正確に理解・把握したうえで、相手が気が付かない部分に着目して提案に持ち込む営業のことです。

ここではテーマではありませんので、観察力については軽く触れるにとどめますが「観察力の高い人=語彙力の多い人」と言われています。知っている知識が多ければ多い人ほど見える範囲が広く、深くなります。ですからインサイトセールスを身につけたい営業マンには、本を読み、芸術に触れることで多くの知識や言葉を身につけるべきだと研修でお伝えさせて頂いています。知識を増やし、取引先が気が付かないポイントを見つけ出す、そして相手よりも高い視座で提案すること。そうなるべく営業マンとして、日々の行動を意識していく必要があるわけです。

今の日本に必要な営業は、論客型タイプのプロフェッショナルとしてお客様と対峙する覚悟を持てる営業マンだと思います。セミナー&研修ネットでは、骨太な営業を育成するための営業研修をご提供していますのでご興味あればぜひお問い合わせください。

営業スキルアップ研修 〜仕事を拡大させるための営業スキル〜

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