提案型営業の限界と突破のポイント


関連研修テーマ


Warning: Invalid argument supplied for foreach() in /home/users/1/jairo/web/semi-ken/wp-content/themes/spi_bs3/single-column.php on line 31

Warning: Invalid argument supplied for foreach() in /home/users/1/jairo/web/semi-ken/wp-content/themes/spi_bs3/single-column.php on line 38

提案型営業力の限界

昨日、新潟県三条市で若手経営者向けに提案型営業力の強化をテーマに講演会をさせていただきました。近年、どこかしこでも言われている「提案型営業」「コンサルティング型営業」「ソリューション営業」というキーワードの内容でした。

 

提案力には受け身と攻めとが存在している

マシュー・ディクソンの著書「チャレンジャーセールスモデル」という本があります。その中には、世界中の営業・販売は次の5パターンに分かれるとしています。

●ハードワーカー(勤勉タイプ)

●チャレンジャー(論客タイプ)

●リレーションシップ・ビルダー(関係構築タイプ)

●ローンウルフ(一匹狼タイプ)

●リアクティブ・プロブレムソルバー(受動的な問題解決タイプ)

そして最も成果を上げているタイプは「チャレンジャー(論客型)」であると結論づけています。

実は私が講演会や研修会、コンサルティングで常に疑問に感じていたのが果たして本当に提案型営業が優秀な結果を残しているのか?ということでした。

そんな疑問に対して答えてくれているのがチャレンジャーセールスモデルです。

もちろん海外の書籍ですので、日本のケースに全てが当てはまるわけではないのですが本質的なものは非常に近いと感じています。

 

で、日本人が昔から提案型営業と呼んでいるのは「受動的な問題解決タイプ」だったわけです。

一方で、私がいつも伝えていたものは「論客タイプ」と呼ばれているもので、実はこれは攻めの提案型営業と呼んでも差し支えないように感じます。

受動的な提案型営業と攻めの提案型営業との違いは、「相手の想定を超えられるかどうか」ということです。

受動的なものは相手にヒアリングをして、相手の想定内の提案をすることが多くなります。一方、攻めの場合は、相手が想定していなかった全く別の切り口での提案がしばしば行われます。

私も営業時代に「今回お客様からお聞きしていて感じたのですが当初お客様が想定してるような内容では充分な効果が得られないように感じます。少し話がズレるのですが、お客様のためになると思いますので少しお話しさせていただいてもよろしいでしょうか?」というように相手の想定をある意味否定して提案することがありました。

 

相手よりも自分がプロであると自覚せよ

なぜか営業というと相手の言いなりになって、相手の要望”だけ“を100%叶えようと単なる御用聞き営業に成り下がっています。そしてそれを提案型営業と呼んでいる企業も多いのが現実です。

しかし、良く考えておいて欲しいのは、自社の商品に最も精通しているのは何を隠そう自分自身なのです。お客様以上の知識と経験を持っています。

従って、お客様の要望を聞くにしても、主導権は売り手にあるわけです。お客様が望んだとしても、プロであるあなたから見て最適でないと感じた場合は自信を持って「否定しなければなりません」。またお客様が気に入ったとしてもそれが最適でないのであれば、異なる提案をすべきです。

 

似合っていないにも関わらず、何でもかんでも「お似合いです」を連発する洋服屋の店員さんみたいなものです。買って欲しさが先行して相手のことなどどうでも良くなるんです。でも世の中のカリスマ店員と呼ばれる人たちは似合わないものはハッキリ似合わないと伝えた上で、別の提案を持ってくるんです。しかもその提案は、お客様が普段選ばないような柄だったりするわけです。試しに試着してみるとあら意外。似合っている。

 

論客型と呼ばれる営業は、相手に合わせすぎず、プロとしての鑑識眼で自信を持って提案する人の事を言うわけです。

 

本当の提案力は自社以外でも自信を持って勧められるかどうか?

そしてもう一つ大切な事は、自信を持って競合他社を勧めることができるくらいの余裕がない限り本来の提案型営業はできないという事です。お客様に最適な提案をする際に、自社の商品では対応しきれないことがあります。そんな時は、自分の顧客にしようと無理売りするのではなく、競業他社であっても勧められる人なのです。

 

そして自信は信念から生まれます。

このような相手の想像を超える提案をする場合、多くのお客様は拒否反応を示します。それでも論客型は辛抱強く相手の説得を試みるのです。どんなに拒否しても引き下がらず、提案の重要性を訴えかけるわけです。一方受け身の提案型営業の場合は、お客様に常に振り回されます。相手の要求が変わると、提案もどんどん変わっていってしまうわけです。プロとしての骨太のコンセプトを貫くことができなくなります。

 

提案型営業に必要なスキルとは、徹底的に相手の立場に立った上でプロフェッショナルとして自信を持って提案できる知識と知恵。そしてお客様に納得させるだけの忍耐力が必要なのです。

 

今の日本に必要な営業は、論客型タイプのプロフェッショナルとしてお客様と対峙する覚悟を持てる営業マンだと思います。セミナー&研修ネットでは、骨太な営業を育成するための営業研修をご提供していますのでご興味あればぜひお問い合わせください。

 

#ブログ #営業

著者 渋谷雄大

神奈川大学卒業後、訪問販売会社にて最年少トップセールスを樹立。
その後、サプリメント専門チェーン事業部門の責任者として、ショッピングセンター・百貨店などへの出店戦略をはじめとして、人材育成、プロモーション・広報などを一手に引き受け多店舗展開を達成する。
その後、同社が倒産、サプリメント専門チェーン事業の譲渡交渉を担当。サプリメント専門チェーン事業を自然派化粧品会社譲渡成功に導く。自然派化粧品会社では生涯顧客化、ファン育成の実践ノウハウを獲得。自然派化粧品会社を退職後、WEBを活用したプロモーションを実践。営業強化、店舗戦略、人材育成、販売促進、Webコンサルティングなど幅広い分野でコンサルティングを行う。
講演数は年間150回を超える人気講師である。
現在はFacebook、Instagram、LINEなどソーシャルメディアを活用した、顧客育成コンサルティングプログラムや営業力強化など企業の収益向上コンサルティングを中心に展開している。

電話でのお問い合わせ

受付時間 月~金 10:00~18:00

メールでのお問い合わせ