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アンガーマネジメント研修 事例レポート 怒りと上手く付き合う方法 

 

セミナー&研修ネットでお問い合わせが多い人気研修のひとつ、アンガーマネジメント研修(怒りの感情の考え方とその対処法についての研修)について、企業様(名前伏せで業態のみ掲載)で実施した研修事例をレポートさせていただきます。仕事を進める上で「怒り」と上手く付き合うことは、「心身の健康」や「人間関係」の質にかかわるため、欠かせません。この研修は「怒り」が生じるメカニズムを理解して、「怒り」を上手にコントロールするまでにスキルを上げていくためのポイントを習得いただきました。ストレス社会において、アンガーマネジメントは、管理職やリーダーにとって必要不可欠なスキルと言えるので参考にしてみてください。

なぜ今アンガーマネジメントが注目されているのか?

いま、アンガーマネジメントが注目を浴びています。「怒り」を扱う際は、怒りの奥にある本当の「気持ち」を見つめなければなりません。「なぜ分かってくれないの?」「話しの仕方が分からない」「自分はダメだ」などと、疑問や後悔・不安などが襲いますが、この怒りをそのまま相手にぶつけてしまうと、人間関係や心身状態が悪化してしまいます。

  1. 怒りを抑え込むと精神・身体状態に影響する
  2. 怒りを爆発させると人間関係が悪化する
  3. 怒りをコントロールできないと自己嫌悪になる
怒りが生じるメカニズム

怒りが生じるメカニズムを理解するとき、怒りの奥に隠れている本当の気持ちを知る必要があります。怒りの奥にある気持ちを具体的に整理していくことが重要となります。私たちは、つらい感情ほど気付きにくく、その気持ちに蓋をしてしまうことでさらに不満が募り、それが怒りと発展していきます。このとき、まずは自分の感情について理解し内省していくことではないでしょうか。

そして私たちは、大なり小なり相手に「~せねばならない」「~してはならない」という期待や欲求を抱いています。それが成就された場合は満足できますが、成就されないときは、不満や怒りとなります。その不満や怒りが外に発散したときには「攻撃」となり、内に向いたときは「うつ状態」となってしまいます。

怒りとアサーション

実は、怒りの感情は喜怒哀楽のなかでも最も取り扱いが難しいとされていますが、いったい怒りの感情とはどんな種類があるのでしょうか?怒りの感情には、①マイルドな怒り・②中程度の怒り・③最も強い怒りがあります。

この研修では、怒りをステップを踏んで紐解くと同時に、クールダウンする方法をお伝えしていきます。

怒りの特性

怒りの特性としては以下が挙げられます。

  • 戦いの身体を準備する(疲れる・痛める)
  • 被害者意識を拡大する
  • 攻撃時期を窺わせる
  • 自分は強い・正義だと錯覚させる
  • 自分がこのことは重要だと錯覚させる
  • 勝ち負けにこだわらせる・妥協させない
  • 守るべき人がいると強くなる
  • クセになる
  • 周囲に煽られる
  • 自分や味方に向かうこともある

以上が、怒りの特性として挙げられる内容ですが、さらに

  • 怒りは正しく思考させない
  • 怒りは修正しにくい
  • 怒りは案外早く収まり後悔する

などの特徴もあります。最近よく言われているのが6秒ルールですね。
アンガーマネージメントのひとつとして、腹が立ったらまずは6秒数を数えてみましょう。という簡単なトレーニングです。

怒りを爆発させるマイナス面
  1. なにも効果がない
  2. 部下のやる気が下がる
  3. 怒りが怒りを増幅させて自己制御できなくなる
  4. 怒っている間は自己成長が止まる
  5. 人間関係が悪くなる

怒りをコントロールできないデメリット

  1. 周囲の人と衝突を引き起こす
  2. とくに上司が怒りっぽいと職場関係が悪くなる→パワハラになる可能性もある
  3. 判断力を失って仕事が非効率的になる
  4. 信頼を失うこともある(例:企業の謝罪会見で感情的になったり失言したりする場合)
  5. ストレスがたまって病気になりやすい・心身のバランスを崩しやすい(高血圧・心筋梗塞の可能性が高くなる)

怒りをコントロールできないと一般的な社会人生活ではデメリットが多く、日常生活に大きな影響を与えます。

怒りの感情パターンと怒りを手放せない本当の理由

アンガーマネジメント研修では、自分の怒りのパターンはどれに当てはまるか?をグループワークなどで見ていくことで自己理解を深めていただきます。また、湧き上がる怒りを手放せない理由についても話し合います。

ちなみに、怒りによって損なわれるのは、相手の人生ではなく、結局は自分の人生が損するということを認識する必要があります。

怒りをコントロールすることのメリット

怒りっぽくすぐイライラしてしまうことや、自分をせめてしまいやすいことは性格なので変えられないのではないか?怒りが生じる仕組みを知って、対処方法を考え実践することで、怒りと上手に付き合い方を身に着けていくことができます。すると、職場などで人間関係が円滑になります。また、自分の性格が好きになり自信がつきます。怒りを強いモチベーションやエンジンに変えられるようになると安定してきます。

アンガーマネジメント研修

怒りをコントロールするには

アンガーマネジメント研修では、怒りのサインへの気づき方、鎮め方、対処法などコントロール手法についても具体的に学び、トレーニングを行っていきます。

①身体に起こる怒りのサイン
  • 目のかすみや充血
  • 肩こり、頭・首・背中の痛み・震え
  • 頭痛・めまい
  • 呼吸の速さ・胸痛・呼吸の浅さ
  • 血圧上昇・動悸
  • 全身の紅潮・発汗
  • 消化不良・吐き気
  • 口の乾き
  • メンタル不良の症状

身体は危険に集中して対処するためにエネルギーを生み出そうとして生理的反応が起きて、そのために怒りの感情はエネルギーを消費させてしまうでしょう。

②隠された怒りのサイン
  • 過食や説明のつかない身体の痛み
  • ささいなことですぐにイライラしやすい
  • 他人に責任があると強く感じたり、自分の中から追い払おうとしている
  • 「自分が傷ついた・自分が犠牲になった」と感じる「あの人のせいで」と感じる
  • かなり強いうつ状態
③怒りの気持ちの鎮め方

何に腹を立てているのかを明確にしていきます。そして、時間の経過とともに行う「怒りの対処法」を取り挙げていきます。

④怒りを和らげるリラクセーション

瞬間的な怒りに気付いたとき、緊張を和らげるためのリラクセーション法を定期的にやると効果的です。怒りを爆発させない人はコントロールする方法を知っています。そういった人の特徴を真似するのも良いですね。

⑤怒りとうまく付き合うために

あなたはどのタイプなのか?を知ることが大切です。個人ワークなどで見ていきます。

⑥アサーションとは

相手との違いを認めて相手を尊敬しつつ、自分の気持ちや要望を率直に誠実に相手に伝えるコミュニケーションのことです。この場合、自分の気持ちもOK、相手の気持ちもOKということが大切です。アサーションが可能だと、怒りに振り回されずに過ごすことができます。アサーションは1950年代のアメリカの行動療法から生まれたもので「人は誰でも自分の意思や要求を表明する権利がある」という考えのもとに生まれた考え方となります。

アサーションではコミュニケーションを、アグレッシブ(攻撃的)、ノンアサーティブ(非主張的)、アサーティブの3つのタイプに分けています。

アグレッシブな方法とは、相手のことは考えずに自分の主張を行い、自分が正しいという前提のもとに主張をするコミュニケーションスタイルです。
ノンアサーティブな方法とは、自分の意見や感情を押し殺し、相手にあわせるやり方です。自分のことは後回しにして、周囲の人のことを考えるスタイルと言えるでしょう。
アサーティブな方法とは、自分の主張は相手に伝えるが、相手のことも考慮したうえでお互いが一歩歩み寄って妥協点を探る方法となります。

アサーションを身に着けると

人間関係のストレスが減り、自分に自信が持てるようになるなど大きなメリットがあります。伝える際に重要なことは、怒りが問題となるのは相手とのコミュニケーションの場面であるということです。相手に対する誤解が、自分自身の怒りを強めることがあるため注意が必要です。丁寧に相手の話しを聴き、事情を確認することによって、怒りの感情が和らぐことがあります。

言葉で伝える目的は?

ここでは、言葉で伝える4つのポイントを整理していきます。アサーションは、上手く言えそうにないことを言おうとするとき、何を言ったら良いか迷うとき、複雑な話しを整理する必要があるとき、自分の気持ちや考え方を明確にしてから話す必要があります。このような場面で、ステップを踏んだセリフづくりが必要です。研修では、アサーション=DESC法を練習していきます。

DESC法とはアサーションスキルを使って相手に上手に伝える方法です。

  • Describe(描写する):事実関係の説明をします。数字などを使いながら客観的に伝えることが大切です。
  • Express(表現する、説明する):自分の気持ちを率直に伝えます。なるべく感情的にならないように。
  • Suggest(提案する、具体的に挙げる):問題解決を提案する。どうすればそれが良くなるか?を伝えますがあくまでも提案であって指示命令でありません。
  • Choose(選択する、結論):相手の反応に対する返答をします。ここではお互いに取ってメリットがある点を伝えることです。もし却下されたら、他に良い方法が無いかを聞いてみるのも良いでしょう。

まとめ

自分が望むことを具体的に伝えて、問題解決を図ること。相手との人間関係を維持することが重要です。アンガーマネジメント研修では、アンガーマネジメントについて、またアサーションと言う「伝え方」を学びました。大切なことは、怒りをコントロールすることです。アサーション法=スキルです。繰り返し練習して身に着けていきます。今回は、ほんの入口です。怒りの感情に押しつぶされないように、また感情のもつれで問題が起きないように、コントロールすることで過ごしやすく、働きやすい職場環境を作ることができます。

セミナー&研修ネットでは、多くの企業におけるアンガーマネジメント研修を行っています。仕事を進める上での怒りをコントロールするスキルが身に付きます。アンガーマネジメント研修をご検討の企業様は、お気軽にご相談ください。

アンガーマネジメント研修

アンガーマネジメント研修の講師例

橋野由利子講師

経歴:産業カウンセラー、心理相談員、衛生管理者、ワーク・ライフ・バランスコンサルタント、健康経営アドバイザー、産業保健総合支援センター メンタルヘルス推進促進員・両立支援促進員

音楽大学卒業後、ピアノ個人レッスン、ヤマハ音楽教室システム講師、県立高等学校・県立看護専門学校にて音楽講師を経験。
ホテルにて接客・会員事務局・エステやブライダルの立上げ・運営を経験する。その後、全国展開する会員制リゾートホテルにて、人材育成・社員表彰制度・教育訓練システム開発と運営、新入社員研修をはじめ、接遇マナー研修、OJT研修、中堅社員研修などの研修を担当、企業理念浸透活動と全施設コーナーのSOP(Standard Operating Procedure)作成と浸透活動などに携わる。ES&CS活動を展開。
現在は、産業カウンセラーとして働く人の保健室「あとむらぼ」の代表として、メンタルヘルスケア支援、経営者の心理カウンセリング、キャリア開発支援の他、接遇マナー・メンタルヘルス研修・ハラスメント研修・コミュニケーション研修の講師として活動している。また、新人研修や中堅社員研修等の階層別研修を手掛けている。

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