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研修の必要性と運用方法

研修とは研究して修めるもの

研修と講義の違いはなんでしょうか。

講義は、講師がある程度の模範解答を持ち一方通行的に解説していくスタイルのものです。
その目的は、講師が持っている知識や知見を学ぶというものではないでしょうか。
すでに答えが存在している「結果」を学ぶ場のように感じます。

一方、研修とは、明確な答えのないものに対して、受講者が主体的な立場となって自らの考えから答えを導き出していく過程なのではないでしょうか。
研修は答えを探す「過程」を通して自らの地肉に変えていくものです。

実際には、講義だけではなく、部分的にグループワークを行なったりしますので純粋な講義や研修というものは少ないでしょう。

エビングハウスの忘却曲線というものはご存知でしょうか。

ドイツの心理学者 ヘルマ・エビングハウスが記憶と忘れる関係について実験したものです。
学習して20分後には42%忘れる。
1時間後には56%。
1日経つと74%。
1週間後には77%忘れるという内容です。

しかしウォータールー大学の研究では、学習した直後が100%だとすると24時間以内に10分間の復習をすることで100%記憶が蘇り、その後、24時間以内に10分。また1週間以内に5分の復習で記憶が甦るというものです。

そうするに繰り返し復習することで定着率が上がるというものなのですが、この実験のミソは「意味のないアルファベット」をたくさん覚えさせたというものです。

自分にとって意味を感じることができない知識の場合は、このような復習をすることが大切なのですが、そもそも研修を考える上では自分にとって意味を感じ取ることができるような研修構成がとても大切になります。

それこそが研修の意味となります。

自ら主体的に研究することで、自ら考える前向きな姿勢へと変えることにつながります。
逆に一方的な講義の場合、もともと興味を持っている受講者には良いのですが、会社からの指示で受講する場合、どうしても意味のないアルファベットのような位置付けとなりがちです。

人から押し付けられたものである限り、自らの地肉に変えることは難しいわけです。

受講者の主体性を引き出し「意味のある内容」へと転換できるかどうかが研修の成否を分けます。