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記憶に残る社員研修

社員研修の講師として多くの機会をいただいている。

20年を超える私自身のサラリーマン生活で、私自身が受講した社員研修は、合わせて4、5回程度だろうか。この回数が多いのか少ないのか正確には分からないが、それほど多いとは思えない。むしろ少ない方だと思う。

そうであっても、過去に受けた社員研修のことはよく覚えている。

 

日常業務とは異なる会場に出かけ、研修講師の話しを聞くことから始まり、何かの作業を行うような研修スタイルが多かったようだ。何かの作業とは、個人で何かを分析しアウトプットを書き出すという作業、少数のグループで話し合うあるいは議論するといったこと、さらには研修会場を離れ、屋外で共同作業を行うなどだった。

 

残念ながら研修講師が話した内容は、研修テキストなどを振り返らないと思い出せない。ところが、何かの作業を行った内容は、いまだに覚えていることが多くある。記憶に残る研修とは、能動的な行動が伴うものということだろうか。聞くだけのスタイルは受け身であり、どんなに内容が優れた事柄であっても、記憶に残ることは少ないだろう。対して、自身が行動を起こす、自身の頭で必死になって答えを探すといった行動は、人の記憶に残る。

 

それでは、記憶に残る研修は効果が高いのだろうか。その議論の前に、研修の効果とは何か、何を持って効果があると判断されるのかの合意が必要だろう。会社がコストをかけて社員の能力向上のために行うのが社員研修であるので、もちろん能力向上に結びつくことが研修効果だと言えるはずである。社員の能力とは次に分類されそうだ

 

①知識・スキル系能力、②対人能力、③創造・表出系能力である。

 

以下の議論では、研修分類もこれに従うことにする。

社員の能力をこのように分類すると、短時間で最も効果が得られやすいのは①であり、次に②、最も短期間では効果が得られにくいのが③であることは、容易に想像できると思う。①知識・スキル系の研修は、知らない事柄を知るための研修であり、その気になっている社員には即効性が期待できる。一方で、効果が得られにくい③創造・表出系の研修は、社員が研修によって得た効果・能力は、長期に渡って育成されるものであり、業務への普遍性が高く、得難いからこそ貴重な能力であると言える。

研修の効果の大きさを次の数式が表現する。

 

(研修効果の大きさ) = (研修効果の得やすさ) × (得られる能力の期待値)

 

このように定義すると、①知識・スキル系研修は前項が大きく、後項が小さい、逆に③創造・表出系研修は前項が小さく、後項が大きいと考えられる。①知識・スキル系研修では講義は少なく、手と頭を使うトレーニング主体の研修であること、③創造・表出系研修では、少数精鋭の幹部候補者にみっちりと実施する研修が含まれることなどからこの辺りは理解できると思う。研修効果の大きさの議論であったが、少々難しくなってきた。

このような仮説から導かれる結論は、次の通りである。すなわち、研修の効果を最大にするには、最も研修効果を得やすい方法・手段によって、最も期待される能力向上を対象とした研修を企画・運営することになる。

 

「なんだ、当たり前でないか!」と嘆かないで欲しい。このことこそが社員研修の本質を突いている。最も研修効果が得やすい方法・手段とは、自ら手を動かし考える研修である。また、最も期待される能力を対象とした研修とは、創造・表出型研修である。この組み合わせを行うことで、企業が求める人材が社員研修によって得られることに繋がるはずである。

 

当社の研修はこのような組み合わせを最も得意としています。最後に、自社アピールを行いました。

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