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新任研修担当必見!効果的な研修プログラムの作り方

研修企画の重要性とは(研修が社員や企業にもたらすメリット)

あなたが新任研修担当として初めて研修の企画・準備を任されたなら、その役割の大切さを十分に理解することが求められます。特に人的資本化が叫ばれている中で、研修の品質向上は企業の生産性向上には欠かせない重要なセクションになっていきます。

研修は、新入社員が業界や組織に順応し、現職社員がスキルを強化し、さらにモチベーションを高めるための重要なツールであることをよく理解しておきましょう。研修の成否は、最終的に、企業の生産性の向上や社員の定着率の改善につながるのです。

例えば、新人研修では、新たに入社した社員が業務に必要な基本的な知識を習得し、組織の文化や規範を理解することが目標となりますし、しっかりと理解することで新人のキャリアプランを明確に描けるようになっていきます。一方、現職社員向けの研修では、新たな知識やスキルを学び、それを実務に適用することで自身の業績を向上させることを目指します。リスキリングや人的資本経営は国としても重点課題として推進しています。

されに、良質な研修は社員のキャリア形成を助け、新たな役割への移行を円滑にし、あるいはより高度なスキルの習得を支援します。研修は個々の社員だけでなく、企業全体の発展に寄与するものであり、そのため、研修企画の役割は重要で、その成功が企業全体の成功に直接影響を与える重要な仕事だと捉えましょう。

研修の目的と目標設定(SMART原則を活用した目標設定の方法)

まずは、具体的な目的と目標を設定するところからはじめましょう。

効果的な研修プログラムを作成するための最初のステップであり、ここがブレると研修の成果は大きく低下することになります。研修の内容をしっかりと絞り込みながら、受講者には何を達成するための研修なのかを明確に伝えることができるようになります。

例えば、目標設定に有効なフレームワークとして、SMART(Specific、Measurable、Attainable、Relevant、Time-bound)を活用してみてはいかがでしょうか。

  • 具体的(Specific)
  • 測定可能(Measurable)
  • 達成可能(Attainable)
  • 関連性がある(Relevant)
  • 時間制限がある(Time-bound)

―これらを基に目標を立て、研修の方向性を定めます。

必要な研修内容の選定とカリキュラム作成

研修の目的と目標が決まったら、それを達成するための具体的な内容を選定し、カリキュラムを作成していきましょう。このステップでは、教える内容を詳細に分解し、理解しやすい形で伝えるための方法を考えていきます。そして、それらの内容を効果的な順序に並べ、研修スケジュールを作ります。

内容の選定やカリキュラム作成に際しては、受講者の知識やスキルレベルを考慮し、研修の難易度を調整します。その際には、ギリギリ頑張らないとついて行けない、というレベルを想定してみてください。

講師や資料の準備(内部講師・外部講師の選定、研修資料の作成)

研修内容とカリキュラムが決まったら、次に行うべきは講師の選定と研修資料の準備です。講師の選定では、専門知識と教育技術を兼ね備えた内部講師、または外部講師を選びます。

内部講師のメリットは、コストが掛からない、社内事情を反映できるなどありますが、デメリットとしては、内輪同士で研修をするため、デリケートなテーマを扱う際には忖度が入る可能性があるという点です。客観的に研修をすることが難しく、どうしても社内の人間関係に影響されてしまいます。

外部講師に依頼するメリットは、内部の人間関係に左右されずに、目的達成のためにフラットに講義ができる点。研修担当者では、人間関係上伝えにくいことを、外部講師が代弁して伝えることができる点です。さらに、研修のプロですので、説明や解説のわかりやすさ、効果的な研修の進め方を習得していますので効果性の面で言えばメリットが大きいでしょう。

また、研修資料は参加者が理解しやすい形で情報を提示するための重要なツールです。資料は明瞭かつ具体的であるべきですし、視覚的な要素(例えば、図表やイラスト)を使うことで、より理解を深めることが可能です。

実施環境の準備(場所・時間・設備等の確認と予約)

研修の成功は、研修環境をどう整えるかも重要です。

会場の選定、時間の設定、必要な設備の準備等、研修の実施に必要な条件を整えます。また、オンラインでの研修を行う場合は、インターネット接続や使用するプラットフォームの確認も必要となります。これらの環境設定は、受講者が研修に集中できるようにするための重要な要素です。

リアル研修の場合は、会場の温度調整やプロジェクターの照度、マイクの感度など、受講者が集中できるような配慮も必要となるでしょう。

参加者への情報伝達と研修の評価(事前通知、フィードバックの収集方法)

事前の情報伝達は、参加者が研修に何を期待すべきかを理解するために重要です。また、研修後のフィードバックは、研修の効果を評価し、次回の改善につなげるために必要となります。具体的なフィードバック手法としては、アンケートや面談、グループディスカッションなどがあります。これらを通じて、参加者の理解度や満足度を確認し、研修の改善点を見つけ出すことでより良い研修へと繋がっていきます。

研修当日の運営体制

研修当日のサポートは、研修担当者としては重要な仕事となります。会場の設営、机の配置、休憩時間のフォロー、昼食がある場合は弁当の手配(または近場の食事処の調査)、講師との事前打ち合わせと準備、当日の司会進行、など多岐にわたる仕事があります。外部会場の場合は、会場への入り時間や退出時間などもしっかりと調べておかないとなりません。

ぜひ、前日からの実施事項をチェックリストとしてまとめておき、ヌケモレの無いようにしましょう。

研修成功のポイントとよくある失敗事例

研修の成功には、きちんとした計画、明確な目標、適切な研修内容と講師、準備万端の研修環境、適切な情報伝達とフィードバック、これらすべてが大切です。一方、目標の不明瞭さ、不適切な研修内容、準備不足、情報伝達の不備などは、研修失敗の一因となります。これらのポイントを理解し、注意深く研修の企画・準備・実施を進めていくことが求められます。

研修の企画と準備は、目的と目標の設定、研修内容とカリキュラムの作成、講師と資料の準備、実施環境の設定、情報伝達と評価方法の決定、これら全てを包含します。この一連のプロセスを通じて、研修担当者は新人社員や現職社員のスキルアップを支援し、組織全体の発展を推進します。

適切な企画と準備により、研修は社員と企業の両方にとっての有意義な経験となるでしょう。

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