コンプライアンス経営の実践(上級管理職の役割行動2)


事後活動(問題発生後の諸活動)

<問題等の事実調査の指示>

問題等が発生した場合、まずはその事実確認をおこないます。本当に発生したのか、いつ(から)発生したのか、どこで発生したのか、どの程度なのかなど、ヒアリング調査、現地調査などの指示を行い、事実の解明をおこないます。

<応急措置等の検討と実施>

問題が発生した場合に重要なことの一つがスピードです。早い対応が二次災害等を防止したり、被害等を最小限に止めます。ケースにもよりますが抜本解決は難しい場合でも、応急措置は迅速におこなうことが重要です。

<発生原因分析の指示>

問題には、必ず発生原因があります。なぜ、問題が発生したのか徹底的に検証する必要があります。それがより効果的な対応策の策定や、再発防止策につながってきます。

<外部専門家への相談>

社内だけでは解決が困難な場合や、訴訟問題に発展する可能性がある場合は、弁護士等外部の専門家と相談することが解決の早道になる場合もあります。

<対応策検討と実施>

発生原因の分析結果や外部専門家への相談等の結果に基づき対応策を検討しますが、コンプライアンス上の問題が発生した場合は、基本的には全社あげての対応をすることが基本です。したがって、会社トップや経営幹部で十分に協議し、対応策を判断していきます。この時大切なことは近視眼的にならないことです。目先の利益等のみ優先する判断は未来を台無しにする可能性があります。コンプライアンスの基本方針に立ち返り、英明な判断を行うことが重要です。

<広報>

万一、不祥事を起こしてマスコミ沙汰となった場合は、社員や顧客、株主などのステークホルダーに対して、しっかりとした説明責任(アカウンタビリティー)を果たすことが重要です。そして、一刻も早い信頼回復に努めます。

<マスコミ対策>

今の時代、マスコミへの対応を誤ると、企業イメージの低下等に大きな影響を及ぼします。公表して良もの、悪いもの(個人のプライバシー)など、しっかりと検討した上で対応していくことが必要です。この時に重要なことは、対応窓口を一本化することです。同じ企業から違った情報の発信がなされることは、組織や指揮命令系統の混乱が外部に伝わることにもなり、企業の信頼を著しく低下させる可能性があるからです。

<行政機関への対応>

コンプライアンス上の問題が発生した場合、許認可事業などケースによっては、業務停止処分等の措置を行政機関からとられることもあります。しっかりとした事後対策・是正措置を行い、一刻も早い事業の再開等を目指します。

<再発防止委員会等の発足および再発防止策の策定>

対応策検討と実施と同様に、発生原因の分析結果や外部専門家への相談等の結果に基づき、再発防止策を検討しますが、一般的には再発防止委員会等を立ち上げ、二度を同じ問題を起こさないためにはどうすれば良いのかを、組織をあげて十分に議論し、再発防止策を策定します。

<再発防止策の社内ヘの周知徹底>

関連するすべての社員(パートタイマー、アルバイト、契約社員、派遣社員も含む)に対して、研修や勉強会、朝夕礼等あらゆる機会を通じて、しっかりと再発防止策のポイントを周知徹底します。また、直接関連のない社員に対しても会社の方針や対応を説明することも重要です。