“営業の練習”のススメ-その4-


組織で行う、実務に直結した即効性のある練習

では、上の「素振り」を組織で行う方法について紹介します。

一つの方法は、よく売る業績のいい営業マンの考え方・やり方を組織で共有し浸透させる取組みです。

しかし、業績のいい営業マンに単にネタを明かせと言っても、そう簡単にはいきません。当の営業マンには何のメリットもないからです。

そこで、それを明かす当人にも十分にメリットがあるように仕組むことが練習のポイントになります。その効果的なやり方の一つが、相対的に業績のいい営業マンには、あえて教える側に回ってもらうというやり方です。

その際は、練習のテーマを明確にした上で、先の「商談スクリプト」を使って商談ロールプレイングを行います。

テーマとは、例の商談の局面、つまり、[イントロ]→[状況の明確化]→[問題の明確化]→[問題の掘り下げ]→[提案]→[クロージング]等です。適宜、そのいずれかを選択したり、組み合わせればよいでしょう。

そしてテーマに即した「商談スクリプト」を作成した上で、営業役と顧客役に分かれて、本番さながらに商談を再現します。その際、あたかも「商談スクリプト」を台本にしながら、それに沿って役割を演技し、会話を進めていくのです。

教える側の営業マンには、その顧客役や商談ロールプレイングの出来不出来等を評価する評価者を担当してもらい、実施後に、自分の経験を基に、営業役の営業マンに対してアドバイスをしてもらいます。

人に教えることは、なにより効果的な練習です。教えるためには、それだけの確固たる考えが教える側になければならないからです。

この方法が教わる側にとって有効なのは明らかですから、こうした商談ロールプレイングを行うことで、業績のいい営業マンとそうでない営業マンが同じ場を共有しながら、ともに効果の高い練習を行うことができます。

毎週1回、1時間程度のそうした場を設定し、それ以外の時間で(本番の商談を実践しながら)皆がそれぞれにテーマに沿った台本を考えて持ち寄ります。(この考える行為も練習)そして当日は、それを前半の20分程度で議論して台本を統合した後、それに沿って代表の数名が商談ロールプレイングを実施して、残りの時間でさらに皆でワイワイと議論するのがいいでしょう。

動物園のライオンの話 ~“営業の練習”は狩りの練習~

ここで突然ですが、動物園のライオンの話です。

野生のライオンは、日々、狩りをしなければ生きていくことが出来ません。しかし動物園のライオンは別です。いつも寝てばかりいても飼育係がエサをくれる。

野生のライオンは、幼少期ならハイエナの襲撃を受けることもあります。(大人のライオンに天敵はいません)

だから野生のライオンは自分で自分の身を守ったり、狩りの練習をします。しないと生きていけない。狩りの教育は主に母ライオンの仕事です。これに対し動物園のライオンには、特に狩りの練習は必要ありません。

営業の場合はどうでしょうか?
例えば“営業の練習”をしない人がいるとすれば、上の理屈では、おそらくそれは「その必要がないから」ということになるでしょう。

なぜ必要ないのかと言えば、「それをしなくても大丈夫な環境にあるから」と言えそうです。しなくても大丈夫な環境のライオンには、当然ながら、狩りの能力がありません。そして営業は一種の狩りのようなものです。

ならば営業でも野生のライオンのように、狩り(営業)の練習をしなければならないのではないでしょうか。

(“営業の練習”のススメ-その5-へ続く)

コラム執筆コンサルタントの関連研修

日々の活動に、即、活かすことが出来る営業の実務に直結したロジカルシンキング(論理的思考)の考え方・やり方を理解します。また、営業の上達のために取り組むべき具体的な練習方法を身につけます(ツールを活用した効果的な方法です)。