マンション管理人も接遇マナー研修を受ける時代が


マンション管理人も接遇マナー研修を受ける時代が

一昔前のマンションの管理人と言えば、高齢男性、無愛想、暗いといった印象であった。しかし、昨今は様子がだいぶ変わってきたようだ。キーワードでいえば、礼儀正しい、面倒見が良い、迅速対応などが増えてきたように思える。

これはマンション管理の市場が拡大する中で、大手を中心に多くのマンション管理会社が市場参入や事業拡大し競争が激化したことや、マンションの居住者側も管理サービスに関する知識が向上し要求が厳しくなったことなどがあげられる。

ちなみに、社団法人高層住宅管理業協会の「マンション管理受託動向調査」によると、平成20年3月31日現在の分譲マンションの管理組合数は78,264管理組合、同管理戸数は4,817,175戸数であり、この数はこれまでほぼ右肩上がりで推移している。矢野経済研究所の調査によると、分譲マンション管理市場の市場規模は、2008年は約5,440億円、2009年約5,621億円であり、2003年の約4,000億円弱と比較すると、わずか5年間で約3割も増加したことになる。

ところが、市場規模自体は前述のように右肩上がりで推移しているが、管理会社の競争環境は熾烈(しれつ)を極めている。特に、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が施行された2001年8月以降は、M&Aによるマンション管理会社の統合などが進んでおり、今後もこの傾向は続くと考えられ、マンション管理会社の生き残り策が注目される。

生き残り策には、M.Eポーターの競争戦略が参考になる。いわゆる、①コストリーダーシップ戦略、②差別化戦略、③集中戦略である。
①のコストリーダーシップ戦略は、一般には業界リーダーである最大手マンション管理会社がとる戦略であり、規模の利益や資金力を生かして標準化   されたサービスを低価格で提供し、業界シェアを奪っていくものである。
②の差別化戦略は、業界リーダー以外(業界4位以降など)のマンション管理会社がとるべき戦略であり、最大手にはない何らかの差別化されたサー   ビスで、シェアを維持しながら収益をあげていくものである。他社に真似されない独自性が要求されることは言うまでもない。
③の集中戦略では、中堅以下のマンション管理会社がとるべき戦略であり、業界のリーダーが目をつけていないような特定の顧客層(マンション、管理   組合等)にターゲットを絞り、経営資源を集中投下し、独自のサービスで顧客の満足を獲得していくものである。

マンション管理会社は、それぞれが置かれた環境の中で、生き残りをかけベストの競争戦略を展開していかなければならないが、どの競争戦略においても絶対に必要な生き残りのキーワードは、“クリンリネス”と“接遇マナー”である。

新築分譲時は別として、マンション管理会社を選ぶのは管理組合員である居住者である。その居住者は意外なほど、マンションの清掃状況や植栽の手入れ、マンション管理人や清掃スタッフの礼儀やマナーを気にしている。マンションは、管理会社の社員・スタッフにとっては、職場かもしれないが、居住者にとってマンションは自らの住まいだからである。

特に清掃は毎日の積み重ねがそのまま結果となって現れる。例えば、隅々まで丁寧にガラス磨きや手すりの拭き掃除を入念に行えば、5年後10年後には結果は明らかに変わってくる。居住者は、自分の家はいつまでも綺麗であって欲しい、だから、マンションが5年後、10年後に綺麗であれば管理会社のサービスに満足する。

また、接遇マナーも重要である。居住者にとって、マンションの管理人やスタッフは毎日のように顔を合わす、いわば家族のような存在である。一方で、管理費を払っているため自分は顧客であるという感覚も持っている。したがって、気持ちの良い挨拶や、顧客として丁寧な扱いなどを当然受けられるものと期待している。しかも、必ずしも標準的なマンション管理人を比較対象としているわけではない。例えば、レストランやホテルなどの他の業種のサービスレベルや言葉使いと比較しているかもしれないのだ。居住者はよいサービスに慣れていると考えた方が良い。

こうした背景もあり、最近はマンション管理会社から接遇マナー研修の要望も多くなっている。モノやサービスで差別化が困難な時代、接遇マナー、つまり人で差別化を図ろうというマンション管理会社が増えてきているのだ。

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本研修は、マンション管理人のための接遇・マナーに特化した研修です。マンション管理人として必要な基本的な考え方と、接遇・マナーの基本をしっかりと学んでいただき、今後の居住者満足の向上の礎としていただきます。