お客様アンケートを何に生かすか


飲食店などに入ると、客席にアンケート用紙が置かれていることがあります。あなたは記入しますか?

私は参考のため手に取りますが、まず記入しません。理由は、「これって何の意味があるの?」と思う内容が多いからです。

 

質問項目は絞り込んで

私はもともと、まちづくりコンサルタント会社に勤めていたので、住民を対象としたアンケートの設計、集計などにも携わってきました。

とくに役所の担当者は、いろいろなことを尋ねたがる傾向がありますが、質問が多ければ多いほど回収率が悪くなり、また回収した票も、無回答のものや、面倒くさがっていい加減に回答したと見受けられるものが増えます。

ですから、アンケートを設計する際には、聞かなくてもよいことは1問でも減らして、本当に聞きたいことに絞り込むことが重要だと考えています。

小売店・飲食店のアンケートも、さほどではないにせよ、やたら項目が多いものがありますね。

例えば、次の項目を5段階評価してくださいと多数の項目が並んでいるもの。スタッフについての評価も「言葉遣いは?」「表情は?」「服装は?」「清潔感は?」など細部にわたっている…。

こんな場合、「スタッフの対応」などとまとめてもよいのではないでしょうか。なぜなら、「よいスタッフ」は総合的によいはずだし、その逆もしかり。そこまで詳しく聞く必要性に乏しいからです。

 

「何名で来店」は必要ですか?

よくある「何名で来店されましたか」、これって必要ですか?

アンケートというのは、意見や感想など、尋ねなければわからないことを調べるためのものです。

何人で来店したかは、見ればわかります。単独客が多いか、二人客が多いかなどのデータが必要だとすれば、アンケートに頼るよりも、データを取ればいいのです。

一つでも質問項目を減らすためにも、なくてもよい項目は削りましょう。

 

考え込まずに答えられるように

また、書く人が考え込まなくてよい選択肢にすること。回答に迷う、回答が難しいと感じさせてはダメです。

例えば「当店をどの程度利用しますか?」という質問に対し、選択肢が「毎日」「週2~3回」「週1回」「月2回」…とあるとします。

「ほぼ毎日」であれば「毎日」でよいのですが、「毎日」とは言い切れないという判断か、欄外に「週5~6日」と書くような「律義な人」もいます。

こんな場合、「毎日」という表現ではなく、「ほぼ毎日」とか「週4回以上」とかの表記にしておけば、回答しやすいですよね。よくある「やや良い」なども、日常に使う言葉ではありません。「まあ良い」にすれば、イメージしやすいのではないでしょうか。

ただし… 「当店をどの程度利用しているか」を集計したから、それを何に生かせるでしょうか? 再来店策を実施した後で、アンケート結果を比較する…なるほど、それは有効ですが、お客さんはアンケートを毎回書いてくれるわけではありません。

回答者が違えば結果も違うので、比較することにあまり意味がないのです。

 

お店にとって意味のある項目だけを

私は大学の卒業論文のとき、住民アンケートを作ったことがあります。正直なところ、それまでアンケートの設計なんて簡単だと思っていました。

しかし担当の教授から、項目一つ一つについて、「これを尋ねる理由は?」と聞かれました。当時は正直な気持ちとして、「いちいち面倒くさいなあ。一応尋ねたらよいのでは?」と感じましたが、今になって、その意図がよくわかります。

聞いても意味のないこと、他のデータでわかることなどは省いて、書く人の負担をへらすこと。店にとって本当に意味のある項目を厳選することが大切です。

 

アンケートづくりで大切なこと

お店のアンケートで重要なのは、「アンケートを通して、店のことを好きになってもらう」「再来店のハガキなどを送付するために住所・氏名を書いてもらう」ことだと考えています。

お客さんの傾向や評価などを集計することが重要ではありません。

 

では、どんなアンケートを作ればよいのか?

セミナー、研修を通じて、多くの方々にお伝えしています。

「店のことを好きになってもらう」ための設問も紹介しています。

また私は「改善点の指摘」は入れません。もちろん賛否はありますが、その理由を説明すると、ほとんどの方が納得してくださいます。

さらに、少しでも多くの人に記入してもらうために、何が必要かをお伝えし、成果を上げてもらっています。

 

さて、先日から、かつて勤めたまちづくりコンサルタント会社の手伝いで、またアンケート項目をチェックしています。

 

これ、質問が難しすぎますよ~

これ、聞く意味、あるんですか? 何に使うんですか?

順番、工夫したほうがいいのと違いますか?

 

以前と同じ項目を、そのまま使っているみたいです。

 

あなたのお店のアンケートもマンネリ化していませんか?

お店づくりに本当に役立てていますか?

意味のあるアンケート、これを合言葉に、改善していきましょう。

著者 松山陽子

大阪市立大学生活科学部住居学科卒業後、まちづくりコンサルタント会社に勤務。商店街の活性化などに携わる。その後、会計事務所、飲食チェーン本部経理を経て、講師業・コンサル業として独立。
元力士である夫が店を始めて大苦戦する中で、「魅力を伝える」ことの大切さに気づき、POP、チラシ、販促ハガキ等を工夫してV字回復を遂げる。
現在は、その経験を生かし、集客をテーマにした講演に力を入れている。
一方で、CFP(日本ファイナンシャルプランナー協会認定上級資格)として、税金・社会保険・相続等の講演も展開。さらには趣味と実益を兼ねて、クロスワード作家、相撲研究家としても活動しており、こうした雑学やユーモアを盛り込みながらのセミナーは、「楽しかった」「時間があっという間だった」と各所から好評を得ている。

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