導入が進む人材アセスメント その4


4.人材アセスメントは、能力開発の前提

また、人材アセスメントは、受講者に気付きを促すという大きな特徴があります。

受講者は、①マネジメント等で必要とされる能力を知り、人材アセスメントの各演習を通じ②自身の能力の発揮度との差を客観的に認識した時に、大きな気付きを得ることになります。

通常の研修等では、①は行われるのですが、②の「客観的に認識」することは中々難しいものがあります。

世の中には、様々な診断ツールがあり、性格や特性、能力などを診断することができますが、その精度と納得感は、やはり人材アセスメントが群を抜いていると筆者は考えます。

その理由は、まずは人材アセスメントでは、複数の演習を通じて発揮した能力等を、複数の講師(アセッサー)が観察し評価するという手法をとるからです。

また、何といっても受講者が、ビデオ再生でそこに映し出される自分自身(グループ討議演習や面接演習での演習行動)を客観的に見ることで強烈な印象を受けるからです。

(感想例:「部下指導をする時に、自分ばかり一方的に話していて、これでは部下は納得しないと思った」「自分では、部下の話を聞く方だと思っていた」など)

さらに、人材アセスメントでは、演習終了後にフィードバック面談が行われることがあります。このフィードバック面談は受講者毎に行われます。面談では、一般に個々の受講者の強みや特質、強化すべき啓発ポイントを、各演習において発揮された行動と関連づけながら具体的なフィードバックやアドバイスが担当講師から直接行われます。

したがって、上記②「自身の能力の発揮度との差を客観的に認識」をさせるという意味では、他の研修や診断ツール等と比較して極めて優れていると言えるのです。

能力開発の第一歩は、自分で気付くことです。

気付いていない状態というのは、単に「そのような能力が必要なこと自体を知らない」こと以外に、「自分はできている」、あるいは「能力を既に十分保持している」と思い込んでいることも含みます。

人は自分を客観的に見られないものです。

そして、気付かなければ(自分で認識しなければ)、人は中々本気になって努力しません。

しかし、特にマネジメントに必要な能力というのは、自分は何が優れていて、何が不足しているのかが、分からないことが多いものです。

一般的な管理職(監督者)研修等では、「管理職とはこうあるべき」が中心で、個別に、「貴方はここが不足しています」とは指導してくれません。

後は、実際の職場で、これまでの先輩のマネジメントスタイルを真似するとか、自己流で何とか慣れていくというのが実情ではないでしょうか。

この様な状況の中、昨今では、この強い気付き(自己認識)を促すという人材アセスメントの特徴を捉えて、能力開発の前提として、若い世代の方々に研修として受講させる企業様もあります。

すなわち、人材アセスメントは、人材育成の出発点として、その高い効果性や影響度にも関心が集まっているのです。