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セクハラの防止にむけて

依然として多い、セクハラの問題

日本において、セクハラ(Sexual harassment)、いわゆる「セクハラ」という言葉は、最近ではすっかり定着してきたようです。
しかし、言葉は定着してきましたが、職場においては依然として多くの問題が発生しています。以前であれば問題にならなかったことも問題になって表面化しています。

一つのデータとして都道府県労働局雇用均等室へ相談件数があります。このデータによると21年度の相談件数のうち、相談内容で最も多いのはセクシュアルハラスメントに関するもので、11,898件と相談件数全体の過半数を占めています。
また、同雇用均等室による是正指導の件数でみても、セクシュアルハラスメントに関する是正指導の件数は8,796件と、以前より減少傾向にありますが、依然として多くの是正指導が行なわれています。

認識が少ない男性社員が依然として多い

私は、日頃から研修やコンサルティングを通じて、セクハラの防止や問題解決等のお手伝いをしています。職場のトラブルで、今一番多いのが“ハラスメント”の問題です。ハラスメントは、セクハラ、パワーハラスメントなどが職場起こりうる代表的なものです。

セクハラの問題が発生した場合には、事実確認(ヒアリング等)を行ないますが、行為者(ハラスメントを行なったとされる者)に聞いてみると、ほとんどの場合、「そんなつもりではなかった」「親しみのつもりだった」「冗談の範囲でおこなった」などの答えが返ってきます。

まれに、強制わいせつまがい(かなり悪質)の行為の場合もありますが、このような場合でも、同様の答えが返ってきたりします。また、回数や頻度を少なめにごまかす答えが返ってきたりします。

問題の発覚や懲戒処分を恐れて、そのような言い逃れをしているかもしれません。しかし、多くのケースでは、主に男性がセクハラの正しい知識をもっていいないことや、女性の思いや考えを相手の立場で理解することができていないことに、大きな要因があるように感じさせられます。

過去を引きずる男性社員

特に、年齢が上に行けば行くほど、この傾向は強くなります。

自分たちが会社等に入社した時にはセクハラという言葉自体がなく、その時代からの行動を是として今も継続している。自分の親や祖父母の時代の「男は仕事、女は家庭」などの性的役割分担意識が未だに残っている。この程度なら問題ないだろうという自分勝手な思い違いをしている。

このように、過去の経験や考え方から脱却し切れていない男性社員が未だにいるのです。

セクシャルハワスメントが起こる背景

勿論、セクハラが発生する環境変化も起こってきました。

具体的には、男女雇用機会均等法の施行や改正、働く女性の増加、女性の勤続年数の伸張、女性の管理職への昇進などです。このように環境が変化する中、職場で働く社員(主に男性)の意識がこの変化についていっていないというのが、セクハラに関わる問題発生の本質と思います。

時代が変わったのですから、会社や組織も変わらなければなりません。勿論、社員一人一人も意識を変えなければなりません!

2つの意識変革で、セクハラ防止を!

一つは、“性的役割分担意識の解消”です。サービス経済化やオートメーション化・IT化などが進展してきた中で、もはや仕事をする上で男女間の能力の差はほとんどないと言っていいでしょう。むしろ、繊細さや指先の器用さでは女性の方が相対的に高い能力も多くあります。
「男は仕事、女は家庭」という意識は、もはや過去の意識です。

もう一つは、“性的な関心や対象からの意識変革”です。職場は仕事をする場です。この意識をしっかりと持つべきです。
「少しくらいなら」「冗談だから」は、もはや完全にNGです。

勿論、男女の健全な関係の形成を否定するつもりはありません。職場結婚もどんどんあって結構です。
しかし、少なくとも仕事の時間は、仕事上のパートナーとして異性を見るべきです。

研修などの活用も有効

セクハラの多くは、知識がないために発生することが多いのです。
研修等を通じ、「何が良くて、何が行けないか」「異性は、こういう言動で傷つく」などを、社員に啓蒙することも、セクハラの防止の観点から有効な手段といえます。

関連ハラスメント研修

本件研修では、セクハラに関する正しい認識を持っていただきます。また、職場で起こっている具体的な事例を紹介することで、気づきを促しその後の意識と行動の変容につなげていただきます。さらに、セクシャル・ハラスメントのない快適な職場にするためにはどうすればよいのかを参加者自らに考えていただき、実効性を高めます。

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